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僧侶も知らない仏教アナザーワールド ~お坊さんから見た仏教マンガの今~

現在観測 第16回

テレビ番組でお坊さんを見かける機会が増えてきたここ最近。
お坊さんや仏教の世界がだんだんと身近に感じられるようになった人も多いのでは。
「無宗教」と言われがちな現代日本人が、今どのようにして仏教の世界と関わりあっているのか、
「仏教マンガ」を通して読み解きます!
今回は曹洞宗八屋山普門寺の副住職、吉村昇洋さんにご寄稿いただきました。

 この頃、テレビの世界でも仏教ブームが起きている。あなたはそう感じることがあるだろうか。深夜枠で人気に火がつき、早々にゴールデンタイムに移動した「お坊さんバラエティ ぶっちゃけ寺」(テレビ朝日)や、僧侶と英会話講師の恋愛を描く月9ドラマ「5時から9時まで」(フジテレビ)など、テレビで僧侶の姿を目にする頻度は格段に上がった。それはもう、自分の生活圏内でリアルな僧侶を見かけるのよりも多いくらいだ。

仏教マンガとは何か?

様々なメディアで僧侶を含めた仏教もしくは仏教文化が取りざたされる昨今、私がライフワークとして研究をしている仏教マンガの世界でも同様のことが起きている。これからその現象を見ていく前に、ここで使用する「仏教マンガ」という語の定義を簡単にしておきたい。

 
この「仏教マンガの4分類」に示している通り、仏教マンガとはこの4要素の最低一つを少しでも含む作品と私は定義している。

(I)釈尊・仏教者(祖師方・名僧及び信者、仏師など)の伝記、仏教史、教団史

(手塚治虫『ブッダ』、坂口尚『あっかんべェ一休』、さいとう・たかを『運慶 天空をつらぬく轍』など)

(II)仏教説話、仏教教理、仏教思想、仏教哲学、仏教用語、仏事

(蔡志忠『マンガ 禅の思想』、今西精二『まんが電爺さん 真宗門徒の生活』など)

(III)現代の仏教者(及びその環境)の実情・生活

(きづきあきら・サトウナンキ『まんまんちゃん、あん。』、能條純一『月をさすゆび』、岡野玲子『ファンシィダンス』など)

(IV)仏教関連のキャラや世界観を使用するも仏教に主軸はない

 (荻野真『孔雀王』、江口夏実『鬼灯の冷徹』、武井宏之『仏ゾーン』、ふくしま政美『女犯坊』など)

この分類を見てピンと来た方もおられるだろうが、仏教に主軸を置かないIVは別として、I、II、IIIは、仏教者が帰依すべき仏法僧の三宝と対応関係にある。ちなみに、「仏」は覚(さと)りを開かれた釈尊という存在、「法」は仏の教え、「僧」は仏弟子の集団であるサンガのことであり、仏教者の3つの大切な拠り所という意味で「三宝」と呼ばれている。

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吉村 昇洋

よしむら しょうよう

1977年3月、広島県生まれ。

曹洞宗八屋山普門寺副住職/臨床心理士/相愛大学非常勤講師

曹洞宗大本山永平寺にて2年2ヶ月間の修行生活を送ったのち、臨床心理士資格を取得。現在広島県内の精神病院にて勤務。禅仏教や臨床心理学、精進料理、仏教マンガに関する講師、執筆活動を積極的に行い、最近ではNHK Eテレ『趣味Do楽』「いただきます お寺のごはん」の講師として人気を博す。著書に『心が疲れたらお粥を食べなさい』『気にしない生き方』(いずれも幻冬舎)のほか、『週末禅僧ごはん』(主婦と生活社)がある。


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