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知っているかが生死を分ける「救急車の賢い呼び方」

季節の変り目で、急激な気温の変化により突然倒れる人が多い。そんな時頼れるのは「119」 だ。だが、突然の事態に遭遇した時、「本当に救急車を呼んでいいのか…」と迷う人が多いの ではないか。命をつなぐ、正しい救急医療の知識を身につけよう!

全国主要自治体の救急救命システム

救急車の出動件数が増え続け、各自治体は対策に追われている。#7119をいち早く導入したのは東京や大阪などの大都市圏だった。

東京都の場合「4段階のトリアージ」

(1)ウェブで自己診断
「救急受信ガイド」を開き、症状に関する質問に答えていく。

(2)迷ったら電話「#7119」へ
救急相談看護師が24時間体制で対応し、救急車が必要か判断。

(3)救急隊員による現場判断
隊員が見て明らかに緊急性が認められない場合、自力受診を促す。

(4)トリアージナースによる判断
患者を病院の看護師がトリアージ(選別)して優先順位を決める。

 

札幌市の場合「札幌市版プロトコールで判定」

2013年10月、札幌市は電話による救急医療相談窓口「救急安心センターさっぽろ」を開設。24時間365日、相談を受けた看護師が、専門委員会によって策定された「札幌市版プロトコール」を使って緊急度を判定。必要に応じて119番に転送する。電話番号は#7119(ダイヤル回線からは011-272-7119)。対応地域は札幌市のほかに石狩市、新篠津村、栗山町、島牧村。

横浜市の場合「小児から成人まで全年齢に対応」

人口全国第2位の大都市ながら、#7119(ダイヤル回線からは045-222-7119)を使った急病時の電話相談窓口「横浜市救急相談センター」をスタートしたのは2016年1月。出遅れ感は否めないが、小児から成人までの全年齢に対応している。横浜市は医療機関についての相談や苦情を受け付ける「医療安全相談窓口」(045-671-3500)も設置。

大阪市の場合「救急車出動を抑えるのに効果」

#7119(ダイヤル回線からは06-6582-7119)による急病時の相談窓口「救急安心センターおおさか」の2014年の利用状況を見ると、全着信件数は25万2530件。うち救急車を出動させたのは3798件(1.5%)に過ぎず、設置によって無駄な出動を抑える効果があったことがうかがわれる。

福岡市の場合「九州で初めて#7119を導入」

2016年6月末、九州では初めて福岡県が#7119(ダイヤル回線からは092-471-0099)を使った救急医療電話相談事業をスタート。その背景には年々増える救急車の出動がある。2014年の救急搬送人数は21万9364人で、前年から3000人以上も増えていた。うち重症者は1万4835人(6.8%)に過ぎず、他県に先駆けての導入になった。

取材・文/田中幾太郎

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