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習近平が日本に迫る強硬姿勢。
尖閣問題が再燃する前に
知るべき中国の戦略とは?

中国専門ジャーナリスト福島香織が語る「チャイナリスク2017 衝撃の真実」

軍事を掌握し、完全独裁に邁進する習近平国家主席。強引な対日姿勢に隠れたその真意とは……。

中国のきわめて強引な対日姿勢とは

 習近平政権の対日観については

「日本は長期の経済低迷に、天災人災が相次ぎ、社会存亡の危機に見舞われている。右翼勢力の台頭、戦後の国際秩序への挑戦、日本政府が釣魚島を『国有化』するなど、これは愚かな行動の一例だ。

 われわれは、アジア太平洋と世界の平和環境、秩序維持、国内の発展のために、かなり我慢して譲歩してきたが、最近の事態は我慢の限界だ。釣魚島は東海の中国大陸棚の資源に関係するだけでなく、国家の長期的戦略的経済利益に関係する。

 また、中華民族の近代から現代に至る屈辱的な歴史と民族の痛みにも関係する。(釣魚島防衛は)わが国民衆の民族の自尊、国家の尊厳、国家領土主権の防衛という正当な要求のほか、社会の各種矛盾、積怨、不満の爆発のはけ口も見つけることができる。……われわれは一定の民意に従い、同時に正確に誘導し、日本が運んできたこの重い石を、自分の足の上に落とさせるようにしよう」

と、きわめて強硬な姿勢を説いていた。

 しかも、

①反日デモを抑制せず、たとえ日貨(日本製品)打ちこわしなどが起きても恐れない。

②米国と協調してお互いが戦後秩序を守る立場で、日本の軍国主義復活・拡張主義復活に対する警戒を喚起する。

③両岸三地(台湾、香港、中国)で協力して、漁民による非暴力形式での中国主権を主張する。

④国連および国際関係機関に働きかけて釣魚島の主権を訴える。米国が日本に肩入れしないという前提であれば、国際社会は日本の味方ではない。

⑤日本に対する強硬な外交姿勢を強め、経済貿易制裁など有形無形で発動する。

⑥軍事的釣魚島防衛の準備を進める。

⑦国内で釣魚島問題に関する民衆の言論を開放させ、世論を形成する。

……といった、尖閣国有化を阻むための七つの提案も行った。

次のページ日本の軍国主義復活脅威に対する国際世論を巻き起こし、尖閣諸島を奪うというシナリオ

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