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長引く審議!はたして現行の降着ルールは適切なのか?

無観客で行われた初のGⅠ高松宮記念。意外にも売り上げは前年を上回ったがレース結果は後味の悪いものに…。


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■16年のマイルCSのミッキーアイルは騎手への処分は重くても降着ナシ

2020.3.29 高松宮記念(中京 芝 1200) 1着入線も4着に降着となったクリノガウディー(左)/ 写真⦿フォトチェスナット

 初の無観客GIで行われた高松宮記念売り上げが前年を上回ったことも驚いたが、何とも後味の悪い結果となった。スポーツ紙の競馬担当者は次のように語る。

 「JRAはたたでさえ、日曜日は判断が悪かったよね。まず中山開催。降雪があることは分かっていたわけだし強引に開催して2レースで中止。出馬投票をやり直したうえ、火曜日に競馬開催をする羽目になった。それでもマーチSの売上は前年を上回るんだからスゴイけど。テレワークとかの影響もあって暇つぶしに競馬をした人も少なくないんだろうけどね……。
一方、高松宮記念1位に入線したクリノガウディーが4着へ降着。ただ、何も不利を受けなかったグランアレグリアよりも下の着順になってしまうのは影響が大き過ぎるというのと、過去のジャッジ基準との整合性が問われた格好になった」

 あのレースでクリノガウディーが降着になるのは誰も異論を挟まないことだろう。記者は続ける。

 「結局、被害馬の脚色が残っていたということが重視されるというのは一貫しているけど、じゃ、もっとひどく走行妨害した場合、被害馬に脚が残っていなかったらセーフだったのかということだ。
いろんなところで話題になっていたけど16年マイルCSのミッキーアイル。あの時は酷い斜行で武豊騎手などは落馬寸前の不利だった。しかし、脚色はなかったと判断され降着の処分はなかった。ミッキーアイルに騎乗していた浜中騎手開催8日間の厳しい騎乗停止処分を喰らっている。
ところが今回の和田騎手開催4日間。騎手の処分は浜中騎手のほうが重いのに降着はなく、かたや浜中騎手に比べれば軽い和田騎手が降着というのは分かりづらい。
元々、このルールではやったもん勝ちと言われていた。むしろ高松宮記念のようにもつれて上位馬に脚が残っていたケースの方が稀かもしれないね。落馬寸前の不利を喰らわして脚を奪った方が良かったのかという疑問も当然残る」

 もちろん、騎手は妨害しようと思って騎乗しているわけではない。今回はゴール前で大接戦だったし、最後の最後まで叱咤激励した結果がこのような悲劇を生み出したのは確かだろう。

 「だからこそJRAや裁決がしっかりと説明できるようにしなければならないよね。確かに16年マイルCSは被害を受けていない馬が2着だったこともあり、降着すると不利もなかった馬が勝利していたことになる。そういった意味で今回は2位に入線していたモズスーパーフレアが不利を喰らわなければ脚色があった、ということが降着になった原因だろう。
もちろん、ダイアトニックも脚色があり不利がなければクリノガウディーより先着していたということなんだろうけど、間に不利を受けなかったグランアレグリアがいたことが自体を複雑にしたよね」

 無観客競馬のわりに売り上げはよく維持していると言われる中央競馬だが、このような分かりづらい事象が連続しファン離れが起きないことを祈るばかりである。

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競馬最強の法則 編集部

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