習近平が、毛沢東・鄧小平・江沢民に次ぐ<br />「党中央の核心」となった真相とは。<br />文化大革命の再来と呼ばれる理由<br /> |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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習近平が、毛沢東・鄧小平・江沢民に次ぐ
「党中央の核心」となった真相とは。
文化大革命の再来と呼ばれる理由

中国専門ジャーナリスト福島香織が語る「チャイナリスク2017 衝撃の真実」

 彭麗媛は江青とは違い、売れっ子の実力派歌手であり、また江青と違い、表だった権勢欲を見せていないが、江青と同じく芸能界出身で最高指導者の妻という座にあり、芸能界介入を通じて政治宣伝を強化するという形で辣腕(らつわん)を振るった。江青は嫉妬心の強い愚かな自制心の利かない性格であったが、美人で聡明で、軍属の歌手として解放軍はじめ各方面に強い影響力をもともと持っている彭麗媛は、それだけにやり方が巧妙であった。

 そういう事情があったので、二〇一六年五月二日に人民大会堂で行われた「五十六朵花」(56フラワーズ)という純国産少女アイドルグループによる〝文革コンサート〞も、習近平と彭麗媛の仕掛けるプチ文革現象の一端かと思われた。二〇一六年五月といえば、俗にいう五・一六通知[一九六六年五月一六日、共産党政治局拡大会議で「ブルジョア反動思想の批判と指導権の奪取」を呼びかけた通知]が可決して、文化大革命が発動された日からちょうど五〇周年目の月である。

※福島香織著新刊『赤い帝国・中国が滅びる日』発売記念、緊急集中連載。

 

著者略歴

福島香織(ふくしま・かおり)

1967年、奈良県生まれ。大阪大学文学部卒業後、産経新聞社大阪本社に入社。1998年上海・復旦大学に1年間語学留学。2001年に香港支局長、2002年春より2008年秋まで中国総局特派員として北京に駐在。2009年11月末に退社後、フリー記者として取材、執筆を開始する。テーマは「中国という国の内幕の解剖」。社会、文化、政治、経済など多角的な取材を通じて〝近くて遠い国の大国〟との付き合い方を考える。日経ビジネスオンラインで中国新聞趣聞~チャイナ・ゴシップス、月刊「Hanada」誌上で「現代中国残酷物語」を連載している。TBSラジオ「荒川強啓 デイ・キャッチ!」水曜ニュースクリップにレギュラー出演中。著書に『潜入ルポ!中国の女』、『中国「反日デモ」の深層』、『現代中国悪女列伝』、『本当は日本が大好きな中国人』、『権力闘争がわかれば中国がわかる』など。最新刊『赤い帝国・中国が滅びる日』(KKベストセラーズ)が発売即重版。好評発売中。

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  • 2016.10.26