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アメリカ大統領選挙とは一体、何なのか?⑤
大統領選挙は室町幕府と石山本願寺がハイテク兵器を使って戦っているようなもの

倉山満によるアメリカ大統領選挙解説シリーズ第5回

 月曜日の投票では移動がきついから、火曜日が選ばれたわけです。

 本選の投票日が十一月の最初の月曜日の翌日というややこしい設定になっている理由は、農閑期の十一月なら、投票のための旅行がしやすいだろうということと、十一月一日がカトリックの祭日なので、ぶつからないように十一月の最初の月曜日の「次の日」としたということです。

 今年、二〇一六年の選挙は予備選挙から共和党も民主党も盛り上がっていましたが、これは、四年前と違って、現職大統領が次の大統領候補になれないからです。

 四年前は現職のオバマが二期目のための候補者だったので、民主党では予備選挙がありませんでした。

 現職の大統領を否定することは自己批判につながるので、起きにくいですし、知名度を広げる必要性もないので、普通、現職大統領側が圧倒的に有利です。

 ビル・クリントンの二期目のときなどは、もう勝ち目の絶対ない選挙だったので、共和党側は上院のボスのボブ・ドールを無理やり立てて、嫌がらせをしたということです。

 七十三のお爺さんを全米何州、何時間耐久演説マラソンというようなわけが分からないことをやって、全国行脚をさせたのです。

「上院のボス」という話が出たついでに言っておきます。拙著『総理の実力 官僚の支配』で詳しく書いたように、議会のボスには五十年間国防委員長とか、外交委員会委員長とか、ハチャメチャなのがいます。

 日本の外務省はどうしてそういう人物にロビイングをしないのでしょうか。 

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倉山 満

くらやま みつる

憲政史研究家

1973年、香川県生まれ。憲政史研究家。

1996年、中央大学文学部史学科国史学専攻卒業後、同大学院博士前期課程を修了。

在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤研究員を務め、2015年まで日本国憲法を教える。2012年、希望日本研究所所長を務める。

著書に、『誰が殺した? 日本国憲法!』(講談社)『検証 財務省の近現代史 政治との闘い150年を読む』(光文社)『日本人だけが知らない「本当の世界史」』(PHP研究所)『嘘だらけの日米近現代史』などをはじめとする「嘘だらけシリーズ」『保守の心得』『帝国憲法の真実』(いずれも扶桑社)『反日プロパガンダの近現代史』(アスペクト)『常識から疑え! 山川日本史〈近現代史編〉』(上・下いずれもヒカルランド)『逆にしたらよくわかる教育勅語 -ほんとうは危険思想なんかじゃなかった』(ハート出版)『お役所仕事の大東亜戦争』(三才ブックス)『倉山満が読み解く 太平記の時代―最強の日本人論・逞しい室町の人々』(青林堂)『大間違いの太平洋戦争』『真・戦争論 世界大戦と危険な半島』(いずれも小社刊)など多数。

現在、ブログ「倉山満の砦」やコンテンツ配信サービス「倉山塾」(https://kurayama.cd-pf.net/)や「チャンネルくらら」(https://www.youtube.com/channel/UCDrXxofz1CIOo9vqwHqfIyg)などで積極的に言論活動を行っている。

 

 

 

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