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ゆとり世代の逆襲――ブラック企業を訴え、和解金700万円をGETした、24歳社会人の話

現在観測 第47回

 こんな風に過激に書くと「ヤバイ奴」というレッテルを張られるのは既定路線だと思いますが、期待外れで申し訳ありません、僕はフツーの人間です。なぜなら誰も進まない道を一人で進むとき、どう頑張っても恐怖を感じてしまうからです。裁判という非正規ルートを選択したときは、映画「呪怨」を見たときよりもブルブル震えたし、ストレスからアルコール依存症にもなりました。
 もちろん今更どんなに大声で「異議あり!」と申し立てをしたところで、きっと僕への評価は変わらないとは思いますが……。だけどこれだけは信じてください。僕はできることなら、会社を訴えたくはなかった。たしかに上司は大嫌いだったけど、上司にも上司なりの考えや想いがあることを、僕は知っています。家族のために、生活のために、汗水たらして働かなくてはいけない事情背景も知っています。だけどです!! 自分が搾取されたり、ストレス発散の道具にされるのは、やっぱり違うかなと思うのです。幸せを奪っても窃盗罪にならないのなら、僕は奪う方に回りたい!! なんだか滅茶苦茶な文章でゴメンなさい。

 「裁判?バカじゃないの?素直に転職しなよ!」と、周りから全力で止められる中、それでも僕が訴訟に踏み切ったのは、前述の理由だけではありません。日本人の平均年収は400万円前半という、なんとも残念な統計結果を知っていたからです。みんなと同じように一生懸命働いても、上司からの理不尽に耐えても、ウザイお客様に頭を下げても、その先に待っている未来は灰色です。もちろん平均年収以上に稼いでいるサラリーマンも多いのでしょうが、平均年収以下で終わるサラリーマンも多いはずです。
 満員電車で死んだ魚のような眼をしたサラリーマンを、あなたも見たことがありますよね? アルコール度数の高い缶酎ハイを大切そうに握りしめるサラリーマンを、あなたも見たことがありますよね? そんな彼らと同じ道を、自分は進もうとしている……。そんな人生は嫌だなと思いました。人生の流れを変えたいなと思いました。だから僕は捨てたのです。脱常識! 脱良心! 脱社畜! 祝ブラック労働者の誕生です!!
※上司から「髭キモイね」と言われたのがきっかけで、脱毛(髭)は済でした。

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工藤 ダイキ

くどう だいき

―事故PR―

日本大学経済学部を卒業後、ブラック企業に新卒入社、社会人2年目の春に解雇される。しかし解雇は想定内。下心から依頼した美人弁護士さんの力を借りながら、ブラック起業を訴えた。ちなみに裁判期間中に弁護士さんは結婚、ちょっとだけ萎える。会社とは700万円で和解。裁判男子を卒業する。しかし暴れ足りなかったので、裁判後すぐに出版業界へ殴り込み。そして2016年7月10日、処女作(男だから童貞作?)を販売開始。夢の印税生活…は夢のまま終わり、振り込まれた印税額は合計7万円。泣ける。むしろ泣いた。

現在出版リベンジ計画中。ご期待ください。

 

著書「24歳のフツーの男子がブラック企業に勝った黒い方法:こう書房」


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  • 工藤 ダイキ
  • 2016.06.22