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「チャイリスク2017 衝撃の真実」
第19回党大会が大きな山場。
習近平は生き残れるか?

中国専門ジャーナリスト福島香織が「チャイナリスク2017 衝撃の真実」を語る

 

 しかし、毛沢東や鄧小平時代の軍権に頼った強人政治の復活には、かなりの実力がいる。毛沢東も鄧小平も革命戦争で実戦を積み、激しい権力闘争を勝ち抜き、人心を掌握し、権謀術数を駆使してどん底の中国をまがりなりにも導いてきた。その人間性の是非はともかく、天才戦略家であり天才政治家である。習近平に、そういった強人政治家としての戦略性、実力、人望があるのだろうか。

 私は、習近平が毛沢東、鄧小平に匹敵するような人心掌握術にたけた天才肌の戦略家だとは思っておらず、どちらかというと政治家としては凡庸な部類ではないか、と思っている。なので、このベクトルの中国蘇生術は挫折する可能性が大きいのではないか、と見ているその挫折は意外に早く、ひょっとすると二〇一七年の第一九回党大会[中国共産党第一九回全国代表大会の略称。中国の指導者を選出するための大会]が一つの山場ではないか。

※福島香織著『赤い帝国・中国が滅びる日』発売記念、緊急集中連載。

 

著者略歴

福島香織(ふくしま・かおり)

1967年、奈良県生まれ。大阪大学文学部卒業後、産経新聞社大阪本社に入社。1998年上海・復旦大学に1年間語学留学。2001年に香港支局長、2002年春より2008年秋まで中国総局特派員として北京に駐在。2009年11月末に退社後、フリー記者として取材、執筆を開始する。テーマは「中国という国の内幕の解剖」。社会、文化、政治、経済など多角的な取材を通じて〝近くて遠い国の大国〟との付き合い方を考える。日経ビジネスオンラインで中国新聞趣聞~チャイナ・ゴシップス、月刊「Hanada」誌上で「現代中国残酷物語」を連載している。TBSラジオ「荒川強啓 デイ・キャッチ!」水曜ニュースクリップにレギュラー出演中。著書に『潜入ルポ!中国の女』、『中国「反日デモ」の深層』、『現代中国悪女列伝』、『本当は日本が大好きな中国人』、『権力闘争がわかれば中国がわかる』など。共著も多数。

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