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これで医者いらず! 食物の「五味五性」で病気を治す

すべての食物には「五味」と呼ばれる働きと、体内に入ってからの「五性」と呼ばれる性質がある。その仕組みを分かりやすく解説する。

毎日の食事で健康になる

 

 食物が持つ〝薬効〟をバランスよく組み合わせた食事を日常に取り入れることで、健康を維持して病気を未然に防ぐ「食の養生法」をご存知だろうか。

「食卓の魚料理を思い浮かべてみてください。焼き魚だけでは単なる料理ですが、焼き魚に大根おろしを添えるだけで、薬ごはんになるのです」

 こう話すのは、食膳研究家であり、東京薬膳研究所代表の武鈴子さん。

 焼き魚には大根おろしというように、和食では昔から、ウナギに山椒、とんかつに辛子、刺身にワサビなど、肉や魚料理には薬味や香辛料を添えるのが定番だ。肉や魚は人間の体の中に入ると、体温の温かさで腐敗が進み、便秘、下痢、食あたりなどの原因となってしまう。それを防ぐのが薬味や香辛料だ。

「大根おろし、山椒、辛子、ワサビには、腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にして消化を促進し、食欲を増進させる働きがあります。同時に、肉や魚などのタンパク質の腸内発酵を防いでくれるのです」

 このような食物の持つ〝働き〟を有効に活用するには、季節や気候、風土に合った食材を選ぶことが大切。ところが現在は、旬とは関係なく、同じ食材が日本中いつでもどこでも手に入れられるようになっている。

「ナスやトマト、キュウリなどの夏野菜を使ったサラダは、スーパーやコンビニなどで一年中、手に入りますが、冷え性の人は、これからの季節は食べるのを控えたほうがいいでしょう」。

 夏野菜には体を冷やす性質があり、暑い夏に食べる分には問題ないが、冬場に食べると必要以上に体を冷やしてしまうのだ。

 

食物の特性を理解してバランスよく食べる

 このような食物の働きと性質については『五味五性』という分類法にわかりやすくまとめられているので、ぜひ参考にしていただきたい。

 

 

「五味とは、食物の味を、酸味・苦味・甘味・辛み・鹹味に分けたもの。食べ物はすべて五味のどれかに分類され、食物の味が違えば、その食物の体内での働きも異なります。先ほど例にあげた香辛料は、文字通り、辛みの代表的な食材となります」。

『酸味』は筋肉や粘膜などを引き締める。『苦味』は体の熱を冷まし、炎症を鎮め、『甘味』は緊張を緩め、味を中和。『辛み』は体を温めて滞ったものを発散。『鹹味(かんみ)』は硬いものを柔らかくし、排泄を促す働きがある。

 五性とは、体内に入って、体を冷やしたり温めたりする食物の性質を示しており、『寒』『涼』『平』『温』『熱』の五つに分けられる。体を冷やす性質が『寒・涼』、温めるものが『温・熱』。涼よりも寒、温より熱の方が作用が強い。同じ食材が日本中いつでもどこでも手に入れられるようになっている。『平』は寒、熱のどちらにも偏らない穏やかな性質で、米や鶏卵など、日常の食品の多くが『平』に属している。

 

 判断の目安としては、気温の高い地域が原産のもの、暑い時期に収穫されるものには、体の熱を取って冷やす性質のものが多く、寒さが厳しい地域が原産であり、寒い時期に収穫されるものは、体を温める性質を備えている。

「たとえば、焼きナスにはショウガを添えますが、ナスは寒の性質で体を冷やすため、温の性質を持つショウガを組み合わせているのです」。

『寒・涼』には『温・熱』、『温・熱』には『寒・涼』の食べ物を組み合わせてバランスを取ることが重要となる。

 

取材・文/片野 浩

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武 鈴子

たけ れいこ

東京薬膳研究所代表

食養研究家

1970~85年、柳澤成人病研究所に勤務し、成人病と食生活の研究・指導に従事。「食は薬である」ことを実感し、食養の研究を始める。86年、中国四川省に渡り、薬膳師・孫蓉燦氏に師事、薬膳理論・料理技術を学ぶ。帰国後は日中医薬研究会会長・渡辺武博士の元で、東洋医学と日本の気候風土に合った薬膳理論を学ぶ。現在は独自の「和食薬膳」を提唱し、各地で薬膳教室や講演を行う。著書に「からだに効く和の薬膳便利帳」(家の光協会)など多数。


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