■太るとさらに、眠りの質が下がる悪循環

 ここまでは睡眠が足りないと太りやすいという話でしたが、太ることで睡眠が妨げられることがあります。

「十分に寝たはずなのに眠った感じが全然しない」と訴える患者さんがメタボ体型なら、まず疑うのが睡眠時無呼吸症候群です。

 この病名、一般の人の間でもよく知られるようになりました。寝ている間に舌が喉の奥のほうに落ち込み、気道をふさいでしまって、何度も息が止まるという病気です。

「ガーガー」という大きないびきをしたと思ったら、呼吸が止まり、30秒くらいしたら「ハーハー」と激しく呼吸した後、再び「ガーガー」と大きないびきをかく──。

 このサイクルを寝ている間中、繰り返すのです。

 睡眠中にしばし息が止まっても、死ぬことはありません。しばらくすると脳が酸欠状態を感知して再び呼吸を始めます。

 ただ、そんな状態では当然、深い眠りに入ることはできません。ずっと首を絞められているようなもので、危険な酸素不足になるので、たとえ十分な睡眠時間をとっていたとしても寝た気がしないのです。

 夜寝ても日中いつも眠くなるという人、寝ている間に大きないびきをかいている人は、睡眠時無呼吸症候群かもしれません。一度検査を受けることをおすすめします。

 睡眠時無呼吸症候群には軽症から重症まであり、無呼吸や低呼吸が1時間に
30回以上あると重症。「CPAP(シーパップ)」というマスク状の器具を装着して眠るとスッキリした目覚めを得られるようになります。ちなみに、これらは保険診療で行われます。

 睡眠が足りないと太り、太ると睡眠時無呼吸症候群に陥りやすくなって、睡眠の質が悪くなる。まさに悪循環です。