元宝塚女優が、映画「銭天堂」で先輩・天海祐希に再会。「特殊メイクしていても素敵でした」
もし、“願いを叶えてくれる駄菓子”があったら……? 令和の子どもたちに大人気の児童文学を実写化した、映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」が、2024年12月13日に公開される。原作は、全国の小学生の投票で選ばれる「“こどもの本”総選挙」第3回で1位を獲得、アニメ化もされた。今回は、銭天堂の謎を追う新米教師・等々力小太郎の母親役を演じている女優の田中里衣さんにインタビュー。宝塚歌劇団出身の田中さんは、今作の主演・天海祐希さんと同じ時期に在籍していた。宝塚時代のお話もたっぷりとうかがった。
——まずは、映画の感想からお願いします。
田中 最初に台本をいただいた時は、どうやって実写になるんだろう? と謎で。完成版を観た時は本当にびっくりしましたね。アニメ版のイメージも全く壊れていないし、子どもから大人まで幅広い年代が楽しめる作品になってました。
私は一部分の出演で、天海さんと共演するシーンはなく、息子(小太郎)役のなにわ男子・大橋和也くん、娘役の平澤宏々路ちゃんと一緒の撮影でした。子どもたちが明るく温かい雰囲気でいてくれたので、私もとても癒されました。こんな息子と娘が本当に欲しいと思ったくらいです。出来上がった作品でも、その雰囲気はそのまま伝わっているかなと思います。
——大橋さんはどんな方でしたか?
田中 テレビをつけると毎日のように出ていらっしゃるので、勝手に親近感を持ってお会いしたんですが、本当に分け隔てなくみなさんに接していて、とっても温かい俳優さんで。私が持ってたイメージのままの方でしたね。
意外だったのは、食事の時に、コンビニのホットスナックを毎回食べているとおっしゃっていたこと(笑)。かなりお好きみたいです。
■天海さんは昔と変わらずフレンドリー
——「銭天堂」の謎めいた主人・紅子を演じているのは、天海祐希さん。田中さんは、天海さんと同じ時期に宝塚に所属していらっしゃいました。
田中 天海さんは、宝塚時代から憧れの上級生でした。今回、宝塚時代以来に天海さんにお会いしたんですが、全くお変わりなかったです。ご挨拶させていただいたら私の事を覚えて下さっていて。昔と同じように、とてもフレンドリーに受け止めて下さって。感激しました。
当時は所属する組が違ったのですが、稽古場の休憩所でよく一緒になるタイミングがあったんですね。天海さんの月組や私の花組の人たちがワイワイいる中でも、私がご挨拶すると必ず返してくださって。急に「お、元気?」なんて言ってくださったりもして。誰に対しても、とっても気さくな方です。いつも後輩に囲まれていて、キラキラしていらっしゃいました。
演技の面ではレベルが高すぎて、私自身とは比べようもないですね。今でも男役の時のイメージを壊さずに、とってもいいバランスで役作りをされているなという印象です。撮影現場にご挨拶にうかがった時は劇中の紅子さんの格好をされていたんですが、特殊メイクをしていても、とっても美しくて素敵でした。
——宝塚時代は、田中さんも天海さんと同じく男役でした。現在はそのまま女性を演じていますが、演技の違いはありましたか?
田中 私は7年目で退団したんですが、男役って、10年やってようやく一人前の世界で。男役として確立できていないうちに辞めたので、そんなにギャップはなかったんです。むしろ、舞台と映像でのギャップのほうが大きかったですね。今までは大勢の人と一緒に大きく動いていたのが、今度はテレビの画面におさまらなくちゃいけない、という。
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