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すぐできる! 「手抜き力」を高めるトレーニング

「ポジティブ手抜き」に不慣れな真面目なビジネスマンに贈る、とっておきのヒント。

3.「3の数字を意識する」トレーニング

「3」というのは神の数字です。

たとえば、「心・技・体」「真・善・美」「S・M・L」など、世の中には「3」にちなんだ言葉がたくさんありますね。そして例えば、信号がもし4色だったらどうなるでしょうか。きっと、事故が多発するのではと思いませんか。青が黄色になって、そこから赤になる。この色分配が精一杯で、違う色がひとつ加わると、一気に曖昧さが増します。

「1」だと対比するものがなくて説得力に欠け、「2」は対になるだけで思考が広がらず、「4」だともう面倒くさくなって曖昧になる。

そう、「3」は多過ぎず少な過ぎず、思考が広がりやすい、“ちょうどいい”数字なんです。

ですから、何か問題に取り組む時も、メインになる3つの問いを立てて、思考すると物事がスムーズに捉えられます。シンプル思考、シンプル行動のカギとなるのです。

 

4.「自分が“話すとき”にメモをとる」トレーニング

相手が喋っているときにメモする人は多いかもしれません。それでは、自分が話していると同時にメモをとっている人はどれくらいいるでしょうか。

対談取材のときでも、相手と目を合わせながら、時には手を動かして、「次の話題がこっちに流れたら、この話を持ってこよう」などとメモに書く。なので、話がプッツリ途切れて沈黙になることがあまりありません。

これは、自分の考えをメモという形に落とし込むことで、頭の中を整理し、いくつもある要素の中から重要なものをセレクトすることが可能にもなります。ですから、自分だけが読めればいいというラフなもので大丈夫。

もちろん、人の話をメモすることも大切です。相手の発言から的外れなことは、イコール、ムダなことにしかなりえません。

 

今回挙げたトレーニング方法はいかがでしたでしょうか。
あれもこれもやるのは難しいと感じたら、自分のビジネスシーン上で一番多く行なう機会があるものから実践してみるのもいいかもしれません。私は、4はなんとなく行なっていたので、まずは2と3を積極的に取り入れたいなと思います。
みなさんも、ぜひいろいろとトライしてみてくださいね。

<『手抜き力』より抜粋>

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齋藤 孝

さいとう たかし

明治大学文学部教授。



1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学大学院教育学研究科博士を経て、現職。専門は教育学、身体論、コミュニケーション技法。



250万部を超えるヒットとなった『声に出して読みたい日本語』シリーズ(草思社)のほか、『雑談力が上がる話し方』(ダイヤモンド社)、『大人の精神力』、『10歳までに身につけたい「座る力」』(いずれも小社刊)など著書多数。


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  • 齋藤 孝
  • 2014.06.21