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桐谷美玲、河北麻友子……スレンダー芸能人たちが食べても太らない理由

摂食障害になった女性たちとの30年余りの交流の軌跡が話題に!

 しかし、病んでしまったことを見ず知らずの人やメディアのせいにする人は少なくありません。たとえば、ダイエットに挫折したあと、摂食障害もしくはそれに近い状態に陥った人が、スレンダー芸能人の公開メニューを見て、悪影響だと批判するケースはけっこう目立ちます。

 さすがに、本人のSNSに直接クレームをつける人はまれですが、そのメニューを掲載した雑誌の編集部にインターネット上で抗議してみたり。そうこうするうち、こんなコメントもついたりします。

「そのモデルさん、私も好きでフォローしてるんだけど、あんな食生活、公開しちゃダメだよね」

 つまり、この人にとっては「憧れ」と「不愉快さ」が混在しているわけです。こうした矛盾とまではいかなくとも、複雑な感情というものをもたらすのが、スレンダー芸能人だったりするのです。

 ある瘦せ姫は、スレンダー芸能人のことを「希望」だと言いました。ダイエットで極端に瘦せたその人にとって、あれくらいにまで戻せば、細さと健康を両立できるという意味です。また、瘦せたい人にとっても、目標にできるという意味では「希望」でしょう。

 しかし、人間には個体差というものもあり、スレンダー芸能人と同じBMIになったところで、そっくりそのままその体型になれるわけではありません。顔だって違います。

 いや、そもそも、同じBMIにすること自体、なかなか難しいことです。桐谷も河北も、とくにダイエットをしているとは言わず、ましてや大好物としてそれぞれ、唐揚げや生ハムを挙げているのですから。

次のページ家族だから、親友だから、共感できて当たり前だという思い込みから、人は衝突しがち。

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エフ=宝泉薫

エフ ほうせんかおる

1964年生まれ。主に芸能・音楽、ダイエット・メンタルヘルスについて執筆。1995年に『ドキュメント摂食障害―明日の私を見つめて』(時事通信社・加藤秀樹名義)を出版。2007年からSNSでの執筆も開始し、現在、ブログ『痩せ姫の光と影』(http://ameblo.jp/fuji507/)などを更新中。2016年に『瘦せ姫 生きづらさの果てに』を出版し、話題となる。

 

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