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まだ間に合う!夏休みに行きたい北海道のすごい名所BEST3

8月8日発売『企画展がなくても楽しめるすごい美術館』より北海道の美術館をピックアップして紹介します。

【六花の森・中札内芸術村】誰もが知る製菓会社が運営、森と芸術との融合が素晴らしい空間

小川のせせらぎと可憐な花々が目に鮮やかな六花の森。

 美しい庭園をそなえた美術館は多くあります。さらに庭に作品を配して「庭園美術館」の趣で展開しているところもあります。しかし、それらとは一線を画した、他に類を見ないかたちで美術と自然の質の高いコラボレーションを実現しているのが六花の森と中札内美術村です。

 いずれもお菓子で知られる六花亭が運営しています。帯広から20キロ余り南の中札内村に互いに四キロほど離れて立地する六花の森と中札内美術村は、広大な敷地に自然が広がり、そこにいくつかの小さな美術館が点在するという基本コンセプト自体は共通していますが、六花の森は小川のせせらぎと美しく咲き誇る花々の華やぎ、中札内美術村はカシワの深い林による落ち着き、と趣がかなり異なり、それぞれに違った魅力があります。開放的な六花の森、内省的な中札内美術村という言い方もできるように思います。

 どちらも自然にあまり手を入れすぎていないところがミソで、“整いすぎていない豊かさ”とでもいうべき味わいがそなわっていて、そのことがとても心地よいものをもたらします。計算され尽したものの味気なさとは無縁で、人間の作為と自然がほどよく響き合い、絶妙のハーモニーを奏でています。

 六花の森には坂本直行記念館、真野正美作品館、相原求一朗デッサン館などが、中札内美術村には相原求一朗美術館、小泉淳作美術館、北の大地美術館などがあります。いずれも小ぶりの美術館で作品と親密な関係を持つのにちょうどいい大きさです。

 坂本直行は六花亭の包装紙の絵を描いた画家で、六花の森にはその包装紙を内側全面に張り付けた花柄包装紙館があり、まるでテーマパークのアトラクションのような面白さを放っています。

中札内美術村の、深い森の中にあるレストラン「ポロシリ」。

 中札内美術村には地元産の農作物で家庭料理を提供してくれる「ポロシリ」というレストランもあります。これがまたクオリティが高く、しかもお手頃価格です。ここのランチを目当てに来る人も少なくありません。こちらはカラダが喜ぶレストランです。

 

 

六花の森
〒089-1366
北海道河西郡中札内村常盤西3線 249-6
0155-63-1000
http://www.rokkatei.co.jp/facilities/index2.html
営業/4月下旬〜5月下旬・9月は10:00~17:00、
   6月〜8月は9:00~17:00、
   9月下旬〜10月は10:00~16:00 
   年度によって若干違いがあるので、HPなどで確認
休/無休(臨時休館あり)
料金/一般800円、小中学生500円
アクセス/列車:JR帯広駅より車40分 
     飛行機:とかち帯広空港より車15分

中札内芸術村
〒089-1366
北海道河西郡中札内村栄東5線172-1
0155-68-3003
http://www.rokkatei.co.jp/facilities/index.html
営業/4月下旬〜9月は10:00〜17:00、
   10月は10:00~16:00
休/無休
料金/美術村は入場無料 全館共通券 一般1200円、小中学生800円
アクセス/車:六花の森より約10分

 

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藤田 令伊

ふじた れい

1962年、奈良県生まれ。アート鑑賞ナビゲーター、大正大学文学部非常勤講師。企画集団プラスリラックス共同代表。鑑賞者の立ち位置を大事にしながらアートの愉しみを広げる活動に尽力している。独自の視点によるアート情報サイト「ARTRAY」主宰。著書に『現代アート、超入門!』『フェルメール 静けさの謎を解く』『アート鑑賞、超入門!7つの視点』(すべて集英社新書)、『芸術がわからなくても美術館がすごく楽しくなる本』(秀和システム)がある。


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