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“フェリー旅”ブーム再燃のワケ

近年、フェリーの旅を愉しむシニアが増えているという。愛車で気楽に遠出ができて、道中では風呂や酒も愉しめ、おまけにリーズナブル。さらに、乗客のニーズに対応した新造船も続々と登場。快適さは増すばかりだ。クルーズ気分を味わえる海の旅を紹介する。

海上ならではの景色が愉しめる

 

 

北は北海道から南は九州まで、日本列島を網羅する長距離フェリー。これを利用した船旅を満喫するシニアが増えている。夫婦水入らずの旅行はもちろん、ここ数年は、「気の合う仲間でツーリング」「船上でのバードウオッチング」など、趣味を活かした目的の乗船も目立つ。

ところでフェリーといえば、これまでは飛行機や鉄道、高速バスなどに比べると、単なる移動手段としても行楽の足としても、いまひとつ影の薄い存在とされてきた。その原因が、「長時間の船旅は退屈」「だだっ広い2等室で、見ず知らずの乗客がいっせいに雑魚寝をするので、落ち着かない」など、かつてのフェリーのイメージが根強いことが挙げられよう。

しかしそれはもはや過去の話。現在の長距離フェリーは、クルーズ客船とまではいかないまでも、高級ホテル並みの豪華な船が次々と登場している。

最近デビューしたフェリーはプライバシー重視で個室が多い。そしてどれもバリアフリーに配慮した構造。つまり高齢者も安心して利用できるようになっており、これがシニア層の乗船客増加にひと役買っている。また女性専用キャビンやパウダールームの設置など、女性乗客への心配りも行き届いているので安心できる。さらに、露天風呂つきのフェリーも登場するなど、他の移動機関では考えられないほど快適な施設も次々と現れている。

食事の質も、大幅に向上している。レストランでは寄港地の旬の食材をいかした料理が提供され、安価で高級レストランのようなコースメニューを提供するフェリーも。船内イベントを実施する船も増え、「船旅は退屈」とのイメージはすっかり覆されている。

さらに注目すべきは、「フェリー新造船ラッシュ」の最中だということ。阪九フェリー(泉大津・神戸〜新門司)が1月に「いずみ」、4月に「ひびき」を就航させ、競合航路の名門大洋フェリー(大阪〜新門司)は9月と11月に新船をデビューさせた。東京を発着する唯一の長距離フェリーであるオーシャン東九フェリー(東京〜徳島〜新門司)も、この12月から秋にかけて4隻すべて新しい船に切り替える。

新しい船は現在の乗客のニーズに応えた船となっており、快適性も抜群に高くなっている。そしてこれらのフェリーはほぼ毎日運航しているので、自分の好きなスケジュールを選んで乗船日を決めることができるのも気軽だ。この機会に、旅慣れた人たちが愉しんでいるフェリー旅を満喫してみてはいかがだろう。

 

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