巨大すぎる……豪華客船はひとつの街だった |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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巨大すぎる……豪華客船はひとつの街だった

豪華客船クルーズ 体験記(3)

横浜発着のクルーズ旅に初乗船!日本生まれの豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」で過ごした6日間の体験を報告する。

星空の下で映画やライブを鑑賞できる「ムービーズ・アンダー・ザ・スターズ」。

ショッピングからジム、カジノまでなんでもある

 豪華客船というと興味のひとつは船内の施設だろう。どこになにがあるのか。船内を探検したくなるし、航海中に知り尽くして、使いこなしてみせる、などと秘かに野望を抱いていたのだが…。
 船内はなにしろ広い。デッキ数は18。つまり18の階層がある。乗客が利用できるのは主に5デッキから上部のデッキで、移動は船の前部、中央部、後部に設置されたエレベーターも利用できる。

乗船客の憩いの場であり、イベント会場にもなるアトリウム

 船内の中心的存在が5デッキの「アトリウム」。3層吹き抜けの構造で、瀟洒な意匠も素晴らしく、開放感たっぷり。船のエントランスにあたるエリアで、ホテルのフロント的なカウンターもここにあり、乗船初日には鏡割りが行われ、航海中もキャプテン主催のウェルカム・パーティー、クッキングショーや宝探し抽選会、ゲームなど、各種イベントも開催された。

 このアトリウムを中心に “街並み”が広がる。高級ブランドからお土産や日用雑貨を扱うショッピングゾーンをはじめ、2層の空間を取った本格的な劇場、各種イベント会場にもなるラウンジ、バー、ダイニングルームがズラリ。外国船でしか体験できないカジノもあり、エキゾチックな気分を演出する。

 14デッキから上部は主に屋外デッキが広がる。ここに上がると一気に南国リゾートのような雰囲気に包まれる。屋外プールや全天候型のプール、ジャグジー、ミニゴルフ、卓球、バスケットコート、フィットネスジム、スパなど、アクティブな施設が揃う。なかでも目を引いたのが「ムービーズ・アンダー・ザ・スターズ」。屋外のプールサイドに設置された大型スクリーンで、名画や最新映画、音楽ライブ上映などがデッキチェアに寝そべりながらのんびり楽しめる。おすすめは夜。星空を眺めながら鑑賞でき、幻想的な時間を過ごすことができる。

 また、洋上最大級の展望浴場「泉の湯」(別料金)もぜひ利用したい。日本発着クルーズのために新設した施設で、大海原のパノラマを望みながら半露天風呂やサウナ、ミストサウナ、打たせ湯風呂で汗を流せる。屋外には水着ゾーンのスパプールもあり、船尾に位置する浴槽から、白い航跡を眺めることができる。
 ところで秘かな野望はどうなったのか。結論からいうと、初心者の6日間ツアーでは、とても使いこなせなかった。乗客から聞いたところによると、船内を把握した頃に下船する。使いこなせないから次の航海も楽しみになる。そうして今回が6回目だという人もいた。

 個人的には、次回乗船する機会があれば、旅全体か、1日ごとにやりたいことのテーマを決めようと思った。この日はアクティブに、この日は読書、この日は映画鑑賞など。そうしないと、設備をあれこれとつまみ食いのような利用になり、せっかくの船旅がせわしないものになってしまいそうだ、と。
 いずれにしても南国の高級リゾートホテル級、あるいはそれ以上の(船上だから当たり前だが)滞在型リゾートが楽しめた。
 

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