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デカルトを学ぶと、オレオレ詐欺にだまされない

齋藤孝さんの新刊『使う哲学』より、日常で使える哲学の思考法を伝授します。

近代哲学を学ぶと、決めつけをしなくなる

 私たちはさまざまな思い込みをしてしまうことがあります。あるいは、物事や人にて決めつけをしてしまうこともあります。

 たとえば「イスラーム(イスラム教)は危険だ」という考え。イスラーム過激派が起こしたテロのニュースを見て、「イスラームは危険だ」と断定してしまう。

 テロを起こしているのはイスラム教の信者のごく一部なのに、イスラームの信者は全員危険で、イスラム教は危ない教えだと思い込んでしまう。

 あるいは今、インターネット上には、罵詈雑言といってよいほどのさまざまな悪口が溢れています。

 「○×は人として終わっている」「△□は生きる資格がない」「絶対に許さない。つぶしてやる」などなど、目を覆いたくなるような言葉が溢れています。

 人の一側面だけを見て、何か落ち度や至らないことがあると、そこに対して総攻撃を加える。「おまえは人間失格だ」と烙印を押さんばかりに。しかも、インターネット上で匿名で。そうした行為はほとんど独断と偏見に満ちています。

 仮にデカルトが現代に生きているとしたら、彼はそのようないい加減な批判や悪口などを決して書き込まないでしょう。デカルトは物事を一つ一つ丁寧に検証することを説いているのですから。

 そうして考えてみると、私たちは現代社会を生きているけれど、一つ前の近代の人たちが経てきたことをできていないことになります。今、日本に生きている日本人の多くは現代社会に生まれ、現代社会の中で生きてきました。となると、多くの日本人は近代の目覚めを自分のこととしては体験していないといえます。

 哲学とは何か、「哲学を生きる」とはどういうことか。実践を心がけることから始めてみませんか。

 

 

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齋藤 孝

さいとう たかし

明治大学文学部教授。



1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学大学院教育学研究科博士を経て、現職。専門は教育学、身体論、コミュニケーション技法。



250万部を超えるヒットとなった『声に出して読みたい日本語』シリーズ(草思社)のほか、『雑談力が上がる話し方』(ダイヤモンド社)、『大人の精神力』、『10歳までに身につけたい「座る力」』(いずれも小社刊)など著書多数。


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