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戦国一の大出世!外国人から見た秀吉像とは?

第四回 SAMURAIファイル「豊臣秀吉」

名古屋在住、日本大好きラジオDJクリス・グレンが語る、
日本が誇る錚々たる戦国武将たちの魅力。
外国人の目に我が国の英雄たちはどう映っているのか?

 

夢を見るということの意味を教えてくれる秀吉

足軽、侍、大名と、見事に出世を重ねて、
ついには、天下人の地位まで上りつめたSAMURAI、豊臣秀吉。
前回取り上げた、本多忠勝のように戦いに強いSAMURAIも大好きだが、
低い地位、貧弱な体という、ある意味SAMURAIらしくない
秀吉のことも僕は大好きだし、心から尊敬する。

秀吉は、父が早くに亡くなり、
母が再婚した相手からは、あまり可愛がられなかったため、
母からのすすめもあり、家を出ることを決意する。
その時、母からもらったお金を盗まれていけないからと「針」に変え、
それを売ることで生計を立てていたらしい。
その後も、木炭を売ったり、油を売ったり、いろんなことをしながら稼いだそうだ。
この時も秀吉は、ただ物を売っていただけではない!
常に、今ある仕事を「誰よりもうまくやる」「一生懸命やる」ということを心がけていた。
一歩ずつ、一歩ずつ、天下に近づくことを夢みて。

このことは、あの有名なエピソードからも垣間みることができる。
織田信長の冷えた草履を懐で温めて差し出した、というアノ話。
(本当は、懐ではなく、背中で温めたという話もある)
「なんだ、草履取りかよ。つまんねーな。俺は、早く侍になりたいんだよ!」
ではなく、今、自分に与えられた「草履取り」という仕事を極めたこと
それによって、人を喜ばせたことが、最終的には天下人への道へとつながることになる。
まさしく、戦国時代最大のサクセスストーリーだ。

 

最近の若者は「夢を持つ」ことが、少なくなってしまったように見える。
自分のやりたいことより、安定した仕事、リスクのない仕事を求める傾向に
走ってしまうのも、わからなくはないが、
秀吉のように夢を持ち、目の前にある仕事に一生懸命取り組み、
夢を掴むことの素晴らしさを
現代人も学ぶべきではないだろうか。

下っ端からの出発でも、天下を取れる!
秀吉は、そんな「男」のロマンを教えてくれたSAMURAIである。

 

 

 
<以下、和訳>
Most people know the story of Toyotomi Hideyoshi, the man who was born a low ranking foot soldier and went on to become a noble samurai and finally the ruler of Japan. Unlike Honda Tadakatsu who I wrote about last issue, Toyotomi Hideyoshi wasn’t a strong fighter, and his small weak body was apparently most un-samurai like. Hideyoshi relied not on the strength of his body, but the strength of his mind. For that reason, Hideyoshi is a samurai to respect.

Hideyoshi’s father died early, and his step-father was prone to mistreating the boy. Concerned for his safety, his mother gave her teenage son some money and had him leave home. Fearing the money could be taken or lost, Hideyoshi invested in needles and became a needle peddler. From there he became a charcoal seller and even an oil peddler. Each became a step closer to achieving his dream of greatness, as Hideyoshi desired to do each job better than anybody else. He wanted to be the best.

The famous story tells how Hideyoshi, on becoming a sandal bearer to the lord Oda Nobunaga, put his master’s sandals in the front of his kimono to warm them for his master (Actually, it’s believed he put them in the back of his kimono to warm them, and the imprint of the straw sandals on his back proved his actions) The point is that he relished even the job of a lowly sandal bearer, and wanted to do his best at that! His efforts proved to be the ultimate success story.
 Many young people in Japan today don’t have a dream. They aspire to a no risk, easy position. Perhaps they should look to Hideyoshi for inspiration, find a dream, and work to make that dream a reality. That’s what Japan needs right now!

Its something we can learn from one of history’s greatest figures, the value in having a dream, of working your way from the very bottom, to the very top, of overcoming any hardships, any obstacle. That is the way of the samurai!

 

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クリス グレン

くりす ぐれん

オーストラリアと日本の両国で、デビューから現在まで、常に第一線で活躍し続けるラジオのプロフェッショナル!

幼少時から日本ファンで、17歳の日本留学以来、甲冑師に弟子入りするなど、熱心に日本文化を学んできた日本通。

趣味は戦国の歴史研究、城めぐり、甲冑武具の収集、古武道……など。


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