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実はWEBライターは圧倒的に人が足りない売り手市場

現在観測 第32回

■「食う」ための2つの道

 では、どうすれば「食えるライター」になれるのか。道は2つあると思う。

(1)兼業ライターとして割り切る
 書くのは月に1、2本に制限して、他に本業を持つというやり方。
 これならネタ切れやオーバーワークに苦しむ心配もない。
 好きなことをしながら月に数万だけ稼ぐ。もちろん、良い記事を書けば単価が上がる可能性は十分にある。
 本数が少ない分、クオリティコントロールがしっかりできるし、本業の息抜きにもなるだろう。また、本業で得た知見で記事を書くこともできる。
 もっと書きたければ、個人ブログに書けばいい。次の依頼主がやってくるきっかけに回そう。
 しかし、「ライターになりたい」という人に、「兼業にしましょう」と回答するのは、がっかりな答えかもしれない。今の仕事を辞めて書くことを仕事にしたいのだ、という人もいるだろう。

(2)Web編集者になる
 そこでもう一つの道として、会社員として、メディアを運営する企業に就職するというのがある。
 先ほど書いたように記事の書き手は人手不足だが、実は編集する側も人材が足りていない。
 そこでヒットしたブログ記事を実績に、就職活動をするのはありだ。何本かヒット記事を作って、自分には記事制作のノウハウがある、と示せれば、どこかに入ることはできるだろう。
 多くのWeb編集者はライターに頼むだけではなく、自分で取材をし、撮影して、記事を執筆している。だから、そこで「書くことが好き」という欲求を満たすことは十分できる。
 ただし、編集者になると別の悩みも出てくる。月々の記事の本数が足りない、PV目標に達していない、マネタイズができない……などなど。
 それはそれでたいへんな毎日が始まる。だが、向いている人には楽しくてエキサイティングな日々だ。

■あなたが良い記事を書くのを、みんな待っている

 ここまで、あくまでWebを中心としたライターのなり方を書いてきた。雑誌はもっと別の手法があるはずだ。筆者はそれに詳しくないので、他の人に譲る。
 兼業ライターになるにしろ、Web編集者になるにしろ、まずはブログを始めて「シェアされる記事」というのを練習するところから始まる。
 多くの編集者は新しい書き手の登場を待ち望んでいる。あなたがいい記事を書くのを待っているのだ。
 それは読者も待っている。脅威の新人の登場を、誰もが望んでいる。たくさんの人が新しい書き手が面白い記事を書くのを、SNSを見ながら、キュレーションアプリをザッピングしながら、今か今かと待っている。
 あなたは良い記事を書くだけでいい。それをみんな待っている。
 

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菊池 良

きくち りょう

ライター、Web編集者。大学在学中に作ったWebサイト「世界一即戦力な男」をきっかけにWeb制作会社に就職。現在は大手IT企業に転職し、ライターとWeb編集者を兼務。

 


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