今夏、衆参ダブル選挙になるか!? そのとき安倍自民党が仕掛けてくる<br />B層(比較的IQの低い層)選挙戦略の露骨な中身を大暴露!<br />「オリーブの木」構想を働きかける小沢一郎が元凶だった… |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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今夏、衆参ダブル選挙になるか!? そのとき安倍自民党が仕掛けてくる
B層(比較的IQの低い層)選挙戦略の露骨な中身を大暴露!
「オリーブの木」構想を働きかける小沢一郎が元凶だった…

中川淳一郎×適菜収 炎上覚悟の居酒屋放談

適菜 もちろんあります。もっと遡(さかのぼ)れば、93年に八党連立政権が出来ますね。あの時に、小沢一郎が細川護熙をかついで政権をひっくり返しましたが、あの時も露骨にメディアを使っています。典型的なマーケティング選挙をやっているわけです。イメージ選挙。それで小沢が何をやったかというと、94年に政治制度改革で小選挙区比例代表並立制にしたのと、政治資金規正法を変えたんですね。それによって、完全にポピュリズム選挙になった。小選挙区の場合、二大政党制に近づくので、党のイメージが重要になってくる。また、政治資金規正法により党中央にカネが集まるようになり、党の権限が必要以上に大きくなってしまった。党議拘束もかけやすくなったし。そういう意味において、あれが一番問題だったと思う。小沢一郎と小泉純一郎は「B層戦犯」ですよ。その延長線上に、民主党や橋下徹、安倍晋三みたいなものが出てきた。

中川 そうですよね。

適菜 政治にマーケティングを導入してはだめなんですよ。しかも、小沢はそれに対する根本的な反省をしないまま、今ものこのこと出てきて、偉そうなことを言っている。ふざけるなという話です。

中川 今回の本でも適菜さんは、テレビは捨てろとかね。オレはその通りだと思いますよ。

 

テレビは捨てろ、新聞は読むな!の真意

——適菜さんは新聞も捨てろと言ってるんですが、新聞好きな中川さんはどう思われますか?

中川 でも、新聞はちょっといいところあるのよ。例えば、今日も俺は新聞を読んでいてね、マイナーなネタを仕入れるんですよ。

適菜 今日は中川さんに会うから、中川さんと呉智英さんの対談(『新潮45』特別対談「あらゆる文明はバカに向かう」)を読んできたんですよ。そうしたら、呉さんが「新聞は常に2紙、時に3紙とっている。知識人の義務だね」と言っていた。

中川 無駄なスマホゲームとか、ネットニュースを見るよりは新聞のほうがマシということなんですよ。それは間違いないですよ。オレも新聞は10分ぐらいで読めるわけですよ。この10分で読める新聞が100円で買えて、オレは東京新聞なんですけど。これは損はしない感じがするんですよ。

——中川さんは、わりと早い午前中の打ち合わせのとき、新聞を脇に挟んでやって来ますよね?

中川 それで捨てちゃう。とにかくちょっと読めればいい話なんです。しょせん月3400円ぐらいだからいいかと。

適菜 私は、戦後の日本を悪くしたのは新聞だと思っていて。『死ぬ前に後悔しない読書術』(KKベストセラーズ)にも新聞の悪口は散々書きましたが、世の中が腐(くさ)っていたら、それを推し進めるのが新聞の役割だと思っていて。

中川 適菜さんにとっての腐った世の中ってどんなのですか?

適菜 世論を煽るわけですよ。戦中は戦争を煽り、戦後は民主主義を煽る。でも、一番肝心なところを疑わないから、いまだに政治は混乱を続けているし、歴史観も国家観もおかしくなっている。国籍や国境にこだわる時代は終わったと言い、大量の移民を国内に入れようとしている安倍のような低脳のグローバリストを自称「保守」が支持したり、日本はすでに発狂しているんですよ。ネトウヨもほとんどB層だと思いますが、思考が軽視されすぎている。今は、自称保守が「正しい歴史」とか「真実の歴史」とか「国民運動」とか言うでしょう。本来の保守は「運動」には否定的だったはずなのですが。つまり「保守」が完全に変質してしまった。

中川 なるほど。

適菜 これは新聞も含めたメディア全般の責任でもあると思います。つまり、言葉を大切にしていない。そういう文脈の中で、私は安倍や橋下的なものを批判してきたんですね。

(第4回につづく…)

(プロフィール)

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)

1973年東京都立川市生まれ。1997年一橋大学商学部卒業、同年博報堂入社、CC局(コーポレートコミュニケーション局)配属。2001年、サラリーマンとして通用しないと諦めて退社。無職になる。その後、ライター、雑誌編集者を経て、2006年にネットニュースの編集者になる。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『節約する人に貧しい人はいない』(幻冬舎)、『仕事に能力は関係ない』(KADOKAWA)等多数。6月上旬には20代30代読者に向けた世渡り指南書『好きなように生きる下準備』(ベスト新書)が発売予定!

適菜 収(てきな・おさむ)

1975年山梨県生まれ。作家。哲学者。ニーチェの代表作『アンチクリスト』を現代語にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』(以上、講談社+α新書)、『日本をダメにしたB層の研究』(講談社+α文庫)、『日本を救うC層の研究』(講談社)、『なぜ世界は不幸になったのか』(角川春樹事務所)、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(講談社)、中野剛志・中野信子との共著『脳・戦争・ナショナリズム 近代的人間観の超克』(文春新書)など著書多数。

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