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欠陥だらけの「インボイス制度」本当にこのまま実施されるのか?

変わりゆく税のしくみの問題点とは

 

■インボイス制度はもはや止められないのか?

 「インボイス制度の中止を求める税理士の会」は、2023年度の税制大綱、同じ年度の予算案が決まる前に中止するのを目標としてきた。残念ながら止められず、インボイス導入は正式に決まってしまった。

 しかも4月14日に東京商工リサーチが発表したデータによると、3月末まで伸び悩んでいた個人事業主の3月末登録率は43.2%、課税事業者(110万件)に基づく登録率は77.8%に一気に増えたという。ところが、不思議なのはこの制度の問題点についてテレビは全くと言っていいほど報道していない。

 もはやインボイス制度の中止は不可能なのだろうか。今回の集会にも参加したどんぶり勘定事務所の神田知宜税理士から提案されたのが、「インボイス制度ボイコット大作戦」だ。実はインボイスは一度登録をしても取り消しができる。国税庁のHPに掲載されているQ&Aにも「取り消し可能」と記載されている。インボイス発行事業者は、「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」(「登録取消届出書」といいます)を提出するだけで抹消可能なのだ。その用紙も国税庁のHPに掲載されている。

「止める手立ては登録事業者が減ることしかない」と神田税理士は語るが、そのためにもインボイスの中身が誰も得しない制度であることを一人でも多くの人に周知させていくのが大事だろう。制度の中止・延期を求める声がこれからもっともっと高まっていくことが望まれる。諦めるのはまだ早い。

 

文:篁五郎

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篁五郎

たかむら ごろう

1973年神奈川県出身。小売業、販売業、サービス業と非正規で仕事を転々した後、フリーライターへ転身。西部邁の表現者塾ににて保守思想を学び、個人で勉強を続けている。現在、都内の医療法人と医療サイトをメインに芸能、スポーツ、プロレス、グルメ、マーケティングと雑多なジャンルで記事を執筆しつつ、鎌倉文学館館長・富岡幸一郎氏から文学者について話を聞く連載も手がけている。

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