木材は過去の鉄道車両にも多用されていましたが、強度や不燃性などを鑑み、現在は金属を基本に構成されています。

 800系では、仕切り壁はアルミ製で、表面に薄い楠の板が張られています。座席も基本はアルミ製で、薄板を重ねて加熱成型した「プライウッド」と呼ばれる持合板で覆われ、鉄道車両としての実用性に富みつつ、木材がもつやさしさや温かさを備えています。

 平成21(2009)年登場の新800系では、外観の前照灯が3次曲面の凸型になり、車内では仕切り壁に金箔、樟、ペアウッド、ハードメープルを使い、金箔の壁には博多織職人、川辺の仏壇職人の作品が飾られています。荷棚下面、窓下のテーブルも木材となり、木の質感が全体を包むイメージになっています。

外観は前照灯のほか側面の赤いラインやロゴが変更され、車内は座面の奥行きを延長。お尻部分を低くすることで深く座れ、座った際、腿の部分のホールド感が向上。さらに、リクライニング角度を変更するなど居住性が高められた。(C)Y.Shiozuka

 座席のモケットには革張りも加わり、座席は各号車でモケット素材が異なり、さらに個性豊かになりました。乗り心地を向上させるため、座面の奥行きを長くし、お尻部分を低くし、リクライニング角度も7度から8度に変更されました。

 また、電話室には久留米絣の暖簾もかけられ、伝統工芸の魅力が感じられます。800・新800系は「さくら」「つばめ」に使用され人気を博しています。

 最近では、空路ではなく、あえて博多から800系に乗り換えるリピーターも多いようです。

新幹線はすごい』より