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西武のレストラン電車に試乗

大人のこだわり「乗り鉄」の旅 第48回

西武レストラン電車の前面

 
 2016年4月17日にデビューした西武鉄道の観光電車「旅するレストラン 52席の至福」。運転開始に先立つ試乗会に参加出来たので、その模様をレポートしよう。

アテンドさんたち

 通常の列車は池袋あるいは西武新宿発だが、車両の内覧会が豊島園駅ホームであったので、豊島園駅が始発だった。にこやかに笑顔を振りまくアテンダントさんたちに案内されて車内へ。東京オリンピックの国立競技場をデザインすることでも有名になった隈研吾氏が外観と内装を手がけた車両だけあって、木を多用した天井のデザインが、いかにも彼らしい。「52席の至福」とあるように、1両の定員が僅か26人のレストラン車両が2両。キッチン車両がその間にはさまり、あとの1両はイベントなどを行う車両で4両編成だった。

 西武池袋線の練馬駅へ出て、ホームのはずれでしばし停車。何本も電車をやり過ごした後、進行方向を逆にして、いよいよ本格的に走りだした。

ディナーの前菜

 
 アテンダントさんがウェルカムドリンクを持ってきて、いよいよディナーコースが始まった。アミューズ、前菜、スープとひとつづつ運ばれてくる。沿線の秩父ゆかりの食材がふんだんに使われている。

 その間に電車は所沢で小休止。ホームで普通の電車を待っていた乗客が物珍しそうにのぞきこむ。スマホを取り出して撮影する人も大勢いて、車内にいる面々はちょっと恥ずかしそうだった。入間川の鉄橋を渡り、飯能に到着すると、ここで進行方向が変わる。いよいよ、単線の山岳路線に入る。緑も増え、渓谷に沿って走り、車窓から眺める景色は俄然よくなる。

ディナーのメインディッシュ

 
 メインディッシュも沿線ゆかりの武蔵和牛を使った料理。とろけるような柔らかい肉を味わった。電車は、線路際に山羊がいる武蔵横手駅で小休止した後、吾野駅、正丸駅でも小休止しつつ、ゆっくりと進む。特急レッドアローに抜かれても、車内は別世界なので全く苦にならない。

西武秩父線を行く観光電車

 
 最後のデザートが終わる頃、電車は長い正丸トンネルを抜け、横瀬駅を通過して、やっと秩父の街並みが見えてきた。

 およそ3時間かかって西武秩父駅に到着。すでに日は傾き、夕陽がホームに射し込んでいた。観光をするには遅すぎたので、秩父のシンボル武甲山をバックに回送列車となったレストラン電車を見送って、帰路のレッドアローに乗り込んだ。

西武秩父に到着

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野田 隆

のだ たかし

1952年名古屋生まれ。日本旅行作家協会理事。早稲田大学大学院修了。 蒸気機関車D51を見て育った生まれつきの鉄道ファン。国内はもとよりヨーロッパの鉄道の旅に関する著書多数。近著に『ニッポンの「ざんねん」な鉄道』『シニア鉄道旅のすすめ』など。 ホームページ http://homepage3.nifty.com/nodatch/

 

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