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世界に知らしめたメイド・イン・ジャパン!新幹線誕生!!

実は新技術ではなかった?実証技術の集大成で完成させた新幹線!!

新幹線はこの「電車方式」を採用し、「こだま」で培った固定窓や空調のある車内、軽量車体や流線形の先頭形状、台車の空気バネ、101系電車で初採用された平行カルダン駆動の新性能モーター、営団300形のWN駆動装置などを反映させました。

また、北陸本線や常磐線で実用化されていた交流電化を採用。大出力のモーターを使用し、長距離電化路線となる新幹線には確実な交流電化技術が不可欠でした。

かくして、昭和37(1962)年6月、神奈川県鴨宮のモデル線に1000形と呼ばれる試験車両A編成2両、B編成4両が搬入されました。スピード感のある、今までに見たことのない流れるようなボディ。

当時すでにあった日本のすぐれた鉄道に関する技術が結集され、新幹線電車に成熟したのです。試作車両は各種試験を繰り返して問題を解消していき、量産車のいわゆる0系を完成させ、昭和61(1986)年まで改良されながらも基本性能をそのままに1~38次車、3216両が製造されました。新幹線の成功は世界で高く評価され、SHINKANSENは国際語にもなり大きな影響を与えました。

日本は狭軌鉄道で、この制約はとても大きく、ゆえに苦心を重ね数々の高い技術を構築してきました。他方、新幹線は広い標準軌であり、制約もなく持ち前の技術力を遺憾なく発揮でき、それが鉄道先進国の欧米をも上回る、新幹線の成功のカギともなったのです。

時速200キロで疾走する0 系。今見ても美しい流線形のスタイル。「夢の超特急」でスタートした新幹線の原点がここにある

新幹線はすごい』より

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斉木 実

さいき みのる

1963年、東京都生まれ。多摩芸術学園写真学科(現・多摩美術大学美術学部2部)中退。嘱託カメラマン、スタジオアシスタントなどを務めるかたわら、鉄道写真に取り組む。現在は鉄道写真作家として鉄道誌や旅行誌のほか、幅広いメディアで活動。車両や駅などの本質をとらえ、精細に作画表現するのをライフワークとする。米屋浩二との共著で『ニッポン鉄道遺産』(交通新聞社)や『ローカル線を旅する本』(KKベストセラーズ)、池口英司との共著で『知られざる鉄道遺産 首都圏 』(交通新聞社)がある。


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  • 2016.04.09