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Scene.14 強烈な個性を尊重しろよ!

高円寺文庫センター物語⑭

お向かいのニューバーグでランチしてれば、急用なら呼ばれてしまう。せっかくの天麩羅蕎麦で、海老の尻尾まで味わっていたのに・・・・

「りえ蔵な、ランチ中に呼ぶときは一言。あ、店長プリーズ」

「エアラインか!

また、ギャグなんだから・・・・宝島社さんからね、赤坂プリンスでの忘年会に皆さんで来てくださいって電話なんですよ。」

「ゲゲゲ! 儲かっているところは凄いな。よし、みんなで乗り込もうぜ!」

ある版元の忘年会で中野の日本閣に招かれた時には、電撃ネットワークのライブを最前列に突進して観ていた。今度はどんなイベントが用意されているのか、わっくわく!

お言葉に甘えて繰り出した、文庫センターメンバー7人。赤坂プリンスホテルなんて、場違いなところに来てしまったと歩く手足がギッコンバッタン。

「みんな、行儀よくしろよ」と言ってみたものの、みんな借りてきた猫だ・・・・

会場に入ると、長い廊下に宝島社の社員が両側に居並んでのお出迎えには驚いた!

「あ、ひらもっちゃん。お、石川ちゃん」いつもお世話になっている営業さんの笑顔を見て、緊張がとけてったぁ~。

広すぎる「なんとかの間」で飲み食いしていたら、チップが配られた。別会場でギャンブルもできるそうで、行ってみるかと歩き出したら「店長、みんなのチップをまとめん? ルーレットで当てちゃるけん」

内山くんが自信たっぷりなので、一発勝負! はい、花と散る・・・・

なんかのライブが始まるという、放送が聞こえた。急いで大広間に戻ると、なんと女子プロレスが始まった!

ホテルの大広間でドッテンバッタン、目の前での迫力に圧倒されっぱなし! お客さんをもてなし楽しんでもらうイベント、参考になるな・・・・と物思いにふけっていたら、リンクは片づけられて次のイベントが始まるようだ。

会場ではサービスの写真撮影が、ポラロイドカメラだった!

「え? わ! わお!」

「篠原ともえコンサート」だなんて、大のお気に入りだから興奮した!

「ともえちゃ~ん」と、絶叫!

終わると、みんなが囲んでいるので「ともえちゃ~ん!」って、突進したら・・・・彼女は、目を見開いて怯えてしまっていた。

暗い会場のあちこちから、「あれ、文庫センターの店長だ!」

 

アタマの中には、Paul McCartney & Stevie Wonderの「Ebony and Ivory」が流れる。

Scene.14 強烈な個性を尊重しろよ!

 

「みんな、今日のランチはジャスト12時に行かせてよ」

「あ、太田出版の社長さんとランチでしたっけ?!」

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のがわ かずお

1951年 東京生まれ。書泉を経て、高円寺文庫センター店長。その後、出版社のアートン・ゴマブックス・亜紀書房顧問。本屋B&B、西日本出版社などにかかわる。 温泉とプラモデルと映画を、こよなく愛する妖怪マニア。共著『現代子育て考5.男の子育て』(現代書館)、『独断批評』(第三書館)。


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