牧島かれん、三浦瑠麗、吉村洋文らが暴れる「21世紀の日本」において発生した究極のディストピア【適菜収】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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牧島かれん、三浦瑠麗、吉村洋文らが暴れる「21世紀の日本」において発生した究極のディストピア【適菜収】

【隔週連載】だから何度も言ったのに 第9回

■三浦瑠麗の優生思想

 

 ディストピアを彩るお馴染みの連中。橋下徹はテレビ番組に出演し、菅義偉と松井一郎のベタベタな関係についてこう述べた。

「僕が大阪維新の会を立ち上げる前、まだ民主党政権の時、菅さんは野党の一議員だったんですけど、東京から週に1回ぐらい松井さんに会いに来てたんですよ。『時間ない? コーヒーでも飲もう』って。その時、松井さんは大阪府知事で」

「それぐらいの関係なんで、大阪の改革を安倍さんも菅さんも凄く評価してくれてましたから、カジノとかIRとか大阪万博、それからリニア。国の力がなかったら動かないようなことを協力してくれて、JR大阪駅の北側のうめきた、あれも開発が進んでますけど、あれも安倍さんと菅さんの力を借りてお金を引き出したんですよ」

 その後、橋下はツイッターで「週に1回ぐらい」を「月1回ぐらい」に修正したが、もはや連中はグルであることを隠しもしなくなった。維新の裏には安倍や菅がいて、カネを引き出すのに協力していたのである。

橋下徹
テレビやネット動画で見ない日はない橋下徹。世間では評価されているようだが、「今の日本の政治で一番重要なのは独裁」「僕が直接選挙で選ばれているので最後は僕が民意だ」「(選挙は)ある種の白紙委任だ」と過去に発言している危険人物である。

    *

 吉村洋文は10月の衆院選で公示前の11議席から4倍近くの41議席に増やし、第3党に躍進したことを振り返り、「少し数が増えたからと言っていい気になってはいけない」「まだ10年くらいの政党。支持基盤も持たない、いつ消滅してもおかしくない政党」と危機感を示した。日本がまともな国ならすでに維新は消滅しているはずだ。

 沖縄県の新型コロナの新たな感染確認が1400人を超えたことについては、「沖縄の医療をいかに支えるのかを迅速に判断してほしい。集中的な支援が必要。国はそこに速くかじを切るべきだと思う」。米軍基地の周辺地域でオミクロン株の感染者が急増している件については「僕が現地の知事だったら怒り狂うと思う」。

 ネット上では「お前が言うな」と一斉にツッコミが入っていた。

 大阪では新型コロナによる死者が続出。吉村は「どんちゃん騒ぎを避けろ」と言いながら、不要不急の大阪市解体を巡る住民投票を仕掛け、他の自治体で発生したいかがわしいリコール騒動に賛意を示し、「嘘のような本当の話」と言いながらイソジンで新型コロナに打ち勝てると「嘘のような嘘」を拡散させた。僕が大阪府民だったら怒り狂うと思う。

ツッコミ待ちの芸風も板についてきた吉村。先日は大阪府と読売新聞大阪本社の包括連携協定が結ばれたが、巨大な行政機関がメディアと特別な関係になるのは全体主義の指標でもある。

    *

 橋下が山口県の小松一彦前副知事らの公選法違反事件についてツイート。「かつての大阪府庁、大阪市役所も酷かった」「特に大阪市役所はOB含めて組織ぐるみで市役所を守ってくれる候補者を応援。そこを断ち切る条例を作った」と自画自賛。

 よく言うよ。公選法違反は維新の御家芸であり、選挙後の風物詩である。先日の総選挙でも、兵庫4区から出馬し比例復活した赤木正幸の運動員森宏成と孫の森弐奈が公選法違反(買収約束)容疑で逮捕された。これまでも足立康史、上西小百合、桜内文城、田坂幾太、升田世喜男、石関貴史ら維新議員の運動員や元秘書らが公選法違反容疑で逮捕されてきたが、県議や市議周辺まで含めれば膨大な犯行の数になる。

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かつて朝生で維新を応援していることを公言し、いまは政策アドバイザーとしても維新に協力していることが伝えられる三浦瑠麗。

 

 自称国際政治学者の三浦瑠麗がテレビ番組に出演。日本における新型コロナによる死者の累計が1万人を超えたことについて、「70代以上が9割ですね」「札幌の例を引いた東洋経済の記事がありまして、コロナの死者の4割は、もともと寝たきりの患者さんで、(コロナが)最後の一滴の、最後の一押しになってしまった可能性がある」「そこは防げないかもしれない」「9割のうちの4割ではなくて、その5割をなるべく減らしましょうという考え方ですね」と発言。

 つまり寝たきりの患者を救うのは諦めて、残りの患者の治療をすればいいというわけだ。

 優生思想というか、完全にネオナチでしょう。ナチスの「T4計画」では、「治療不能で生きるに値しない」と判断された人々が組織的に殺害されていった。

 メディアの腐敗も当時とそれほど変わらない。

《三浦瑠麗氏 凛としたレアな和装ショット披露に「お美しい」「才色兼備の見本」「極妻のような妖艶さ」の声》(「スポニチAnnex」2021年11月11日)だって。「お美しい」? 全体主義体制下では、言葉の定義自体が破壊される。その悪夢を描いたのが『一九八四年』でもあった。

1949年に刊行されたジョージ・オーウェルのディストピアSF小説。全体主義国家によって分割統治された近未来世界を描く。

 

文:適菜収

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適菜 収

てきな おさむ

1975年山梨県生まれ。作家。ニーチェの代表作『アンチクリスト』を現代語にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』、『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?」(以上、講談社+α新書)、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(講談社)、中野剛志との共著『思想の免疫力 賢者はいかにして危機を乗り越えたか』、『遅読術』、『安倍でもわかる政治思想入門』、『日本をダメにした新B層の研究』(KKベストセラーズ)、『ニッポンを蝕む全体主義』『安倍晋三の正体』(祥伝社新書)など著書50冊以上。「適菜収のメールマガジン」も好評。https://foomii.com/00171

 

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