その一方で私が変化を感じるのは、AV女優たちの意志の強さだ。

「昔は」というと非常にきな臭く聞こえるがあえて言おう。昔は──特に私がこの業界に入った00年代初頭くらいのころは、親や友達、恋人にAVの仕事がバレて反対されたら「そうだよね、やっぱりAVに出るなんてダメだよね」「私が悪うございました」とばかりにアッサリ仕事を辞める例をよく見聞きした。

だがここ数年、ふと思うのは親にバレ、恋人が別れを切り出してもなかなか皆、簡単に辞めない。意志が強まったのか、そもそも取材対象となる女優たちは親バレという通過儀礼を経てきた子なのか、はたまたそのどちらとも言えるのか。「誰が何と言っても辞めない」という実直なまでのプロ意識には驚くものがある。

その要因は単に経済的不況だけに所以するのではなく、仕事へ対する「やりがい」の意識の変化や「AV女優としての自分」へのこの上ない肯定感も感じられる。

取材するたびに自分よりもひと回り、いやそれ以上も年下の女の子たちによって自らを安易に否定しない強さ、女の意地みたいなものを教え込まれているのだと思う。アダルト業界に関わるには、年齢だけでなくその意志も「アダルト」になることが求められている。そんな業界をまだ内面は半熟の「熟女」が今日もぼんやりと見つめているのだ。