意外に作れない「自分の時間」。社会人が勉強を続けるために必要なものとは?【角田陽一郎×加藤昌治】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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意外に作れない「自分の時間」。社会人が勉強を続けるために必要なものとは?【角田陽一郎×加藤昌治】

あんちょこ通信 第8回


皆さまこんにちは。「あんちょこ通信」編集長のカイノショウです。

あんちょこ通信では、ビジネスパーソン専用の初のお悩み解決辞典として注目を浴びている『仕事人生あんちょこ辞典』著者の角田陽一郎、加藤昌治が、みなさまから届いた「仕事人生のお悩み」にパシパシ答えていきます。

お悩み相談は、定期的にYouTubeでも「お悩み”あんちょこ”ライブ相談会」として配信しています。そちらもぜひご覧ください!

さっそくお悩みを紹介しましょう。


 

日音さん(神奈川県、30代、広告制作)

「コロナを機に私の会社は基本的にリモートワークになりました。でこのチャンスに勉強をしようと思ったのですが、逆にダラダラと仕事を続けてしまって上手く自分の時間を作れずにいます。自分のための時間ってどうやったら作れますか?」

 

 コロナ禍が始まった頃は、怖いながらも「これで自分への投資ができる!」と当て込んだ人も多かったでしょうが、いざ蓋を開けてみると意外と仕事から離れられないってこと、ありますよね。

 勉強家・読書家のお二人は、どうやって「自分のための時間」を捻出しているんでしょうか。

 

■楽しい時間は「自分の時間」

 

加藤:ここのところ減ってきて、今まさに悩んでいるんですよ。あくまで自分の例で云うと、「最低ここまでやろう」というのと、「できればここまでやりたいという二つの線を持っていて、その間を行ったり来たりしてます。

 その「最低ここまでやろう」も、本当は日割りで「毎日これだけやりたい」という目標があるのですが、できないので、三~四日単位でみるようにしています。

 

角田:そうか、計測期間を伸ばすんだ。

 

加藤:そう。自分がどこまで課題を進めることができたか、ちゃんと正の字を書いて数えてるのね。本当は五回やりたかったけれど今日は二回しかできない、みたいなことがあったら、「明日八回やろう」じゃなくて「明日六回やろう」みたいに、ちょっとずつ借金を返していく感じで時間を作っていますね。角田くんはどうしてますか?

 

角田:僕は四象限に分けて考えてる。「自分の時間⇔他人の時間」という軸と「楽しい時間⇔楽しくない時間」という軸で四象限ができるよね。その上で、「自分の時間でも他人の時間でも、楽しかったらいいんじゃないかな」と思っていてさ。

 だから僕は全部「自分の時間」だと思ってるんだよ。「自分with他人」の場合と「自分only」の場合しかないと思ってるわけ。

 そもそも「自分の時間」って、なんで欲しいんだろうか。この質問者の方は「自分の時間がとれない」と言っていて、その前提には「他人の時間」があるわけだけど、本当は「自分⇔他人」の軸じゃなくて、無意識に「楽しい時間⇔楽しくない時間」で分けてるんじゃないかな。

 

加藤:角田くん、しょっちゅう映画を観てるじゃない? 映画観るって、時間のユニットとして、二時間の映画に行き帰りの時間も含めて、三時間パックの時間が必要なものだけど、一日のうち三時間を割くって、社会人にとっては結構なことですよね。そこらへんの物事の優先順位付けや辻褄合わせは、どうやってるわけ??

 

角田:言ってしまえば、辻褄が合わなくなったから会社を辞めちゃったのかもしれない。

 会社を辞めちゃったから、「今どうしても観たい映画だけど、時間が無いから観に行かない」はない。どうしても観たい映画は、絶対行く。

 「映画を観る」の中にも「自分が観たいから観る映画」の他に、週刊プレイボーイで映画の連載をしてることもあって「仕事で観る映画」もある。それはもしかしたら「自分の時間ではない」と定義されちゃうこともあるかもしれないけれど、インタビューの時に相手の作った作品を観てないでインタビューやっても面白くないから、苦痛でもなんでもないんだよね。

 

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角田 陽一郎/加藤 昌治

かくた よういちろう かとう まさはる

角田 陽一郎(かくた・よういちろう)

バラエティプロデューサー/文化資源学研究者 

千葉県出身。千葉県立千葉髙等学校、東京大学文学部西洋史学科卒業後、1994年にTBSテレビに入社。「さんまのスーパーからくりTV」「中居正広の金曜日のスマたちへ」「EXILE魂」「オトナの!」など主にバラエティ番組の企画制作をしながら、2009年ネット動画配信会社を設立(取締役 ~2013年)。2016年TBSを退社。映画『げんげ』監督、音楽フェスティバル開催、アプリ制作、舞台演出、「ACC CMフェスティバル」インタラクティブ部門審査員(2014、15年)、SBP高校生交流フェア審査員(2017年~)、その他多種多様なメディアビジネスをプロデュース。現在、東京大学大学院にて文化資源学を研究中。著書に『読書をプロデュース』『最速で身につく世界史』『最速で身につく日本史』『なぜ僕らはこんなにも働くのだろうか』『人生が変わるすごい地理』『運の技術』『出世のススメ』、小説『AP』他多数。週刊プレイボーイにて映画対談連載中、メルマガDIVERSE配信中。好きな音楽は、ムーンライダーズ、岡村靖幸、ガガガSP。好きな作家は、ホルヘ・ルイス・ボルヘス、司馬遼太郎。好きな画家は、サルバドール・ダリ。

                                                             

加藤 昌治(かとう・まさはる)

作家/広告会社勤務

大阪府出身。千葉県立千葉髙等学校卒。1994年大手広告会社入社。情報環境の改善を通じてクライアントのブランド価値を高めることをミッションとし、マーケティングとマネジメントの両面から課題解決を実現する情報戦略・企画の立案、実施を担当。著書に『考具』(CCCメディアハウス、2003年)、『発想法の使い方』(日経文庫、2015年)、『チームで考える「アイデア会議」考具応用編』(CCCメディアハウス、2017年)、『アイデアはどこからやってくるのか 考具基礎編』(CCCメディアハウス、2017年)、ナビゲーターを務めた『アイデア・バイブル』(ダイヤモンド社、2012年)がある。           

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