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「会社を辞める」決断の前に、将来の可能性を広げる方法とは?【角田陽一郎×加藤昌治】

あんちょこ通信 第7回


皆さまこんにちは。「あんちょこ通信」編集長のカイノショウです。

あんちょこ通信では、ビジネスパーソン専用の初のお悩み解決辞典として注目を浴びている『仕事人生あんちょこ辞典』著者の角田陽一郎、加藤昌治が、みなさまから届いた「仕事人生のお悩み」にパシパシ答えていきます。

お悩み相談は、定期的にYouTubeでも「お悩み”あんちょこ”ライブ相談会」として配信しています。そちらもぜひご覧ください!

さっそくお悩みを紹介しましょう。


 

愛宕さん(東京都、30代、IT企業勤務)

「現在取り組んでる仕事が会社のメインの仕事ではなくて、利益に繋がらないせいか、何年も給料が上がりません。このままこの仕事していてもしょうがないという思いがあります。もう転職したほうがよいんでしょうか」

 

 会社に必要とされていないと感じると、辛いですよね。でも転職へのふんぎりもつかない。会社を辞めた角田さんと会社で仕事を続けている加藤さん、おふたりの視点はいかがですか?

 

 ■会社を辞めるのって、やっぱり怖い

 

角田:加藤君がこの質問者の人みたいな状況だったら、転職します?

 

加藤:まず前提として、「就職」と「就社」は違うと思うのだよ。

「就職」とは「その職業に徹する」ことなので、今の会社との相性が悪いのであれば、会社を移ることは選択肢としてはあり得ますよね。

 一方で今の会社が好きで居続けたいのだけれど、今は端っこの仕事を割り当てられている……というのなら、雌伏何年で次のタイミングを待つか、別の仕事をさせてもらえないか上司や人事に相談するのもアリなんじゃないですか。

 

角田:僕は5年前にTBSを辞めちゃったじゃないですか。それで、「会社を辞めたのに、またに会社に入ろうと思うのは何でなのかな?」って少し思ってるんだ。

 

加藤:どういうこと?

 

角田:僕は基本的にアイデアはよく思いつくんですよ。その中には当然、関わる人を増やして、会社のシステムにしないと回らないであろうビジネスのアイデアもあるわけだよ。

 でも、そのために会社を作るなら、一周回ってTBSでやればよかったじゃないか。

 組織が嫌だからTBSを辞めたのに、新たな仕事をやってると「組織が必要だな」って思うことがある。その時に「いや、組織を作るのは止めよう」とストッパーがかかる自分がいて、だからこそ、そこから消去法的に自分一人でアイデア、プロデュース、著作とかで生きていこうと思っている面がある。「組織を辞めたんだから、もう組織は作らない。ならばどう生きる?」の辺りに僕の行動の原理がある気がするんです。

 自分が組織の端のほうにいると思うなら、自分が中心になるような個人になってしまう、あるいは組織を作ってしまえばいいと思ったりもするのだけど、それはやっぱり怖いのかな。

 

加藤:まあ怖いよね。

 

角田:僕もTBS辞める時怖かった。それで言うと、僕は最近家庭菜園を始めたんです。カボチャとかを作って苦戦してるんだけど、カボチャって選別しないと大きくならないんだよ。

 

加藤:そうなんだね。

 

角田Aのカボチャを生かすためには、BCを切らなきゃいけないわけだね。

 そうすると、会社組織と自分のことを思い出すんだよ。「BCを捨て馬にしてAだけ育てよう」みたなのが嫌だから会社を辞めてフリーになったのに、家庭菜園を始めるとBCというカボチャを殺さないとAのカボチャが育たない。それが嫌で、全部生かそうと選別しなかったら、結局どれも育たなかったんだ。

 

加藤:なるほど。

 

角田:その後で、農家さんのところに泊まる機会があったから、「カボチャは全然育たなかったんだけど、何が悪かったんですかね」みたいに聞いてみたら、プロの農家でも「何が悪かったのかわからないけれど、この畑は今年はダメだった」みたいことがあるんだって。

 プロでもよ?

 その場所では専業農家はどんどんいなくなって、農家さんはすべてサラリーマン兼業らしいんだけど、次の世代になると、もう農家も辞めてサラリーマン一本になろう、って話になってしまうんだって。確かに原因も分からずに農作物が全滅するようでは、リスクが大きくて生きていけないよね。

 そう考えると、「今の会社がダメでも次の会社を目指そう」というのはリスクヘッジみたいなものだし、「フリーで生きていこう」っていうのは少し「農家に戻れ」みたいなところがあると思うんだよね。

 

加藤:そうだね。組織のいいところは風邪をひいたら休めることだからね。

 

角田:僕みたいなフリーランスは逆に、休んでしまうと来月の入金がなくなるような問題が現実にあるわけだし。

 

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角田陽一郎と加藤昌治の「お悩み"あんちょこ"ライブ相談会」

#3 ゲスト立川談慶

《12月7日(火)20時〜 YouTube無料ライブ配信!》

◉バラエティプロデューサー角田陽一郎とベストセラー『考具』の加藤昌治が 落語家の立川談慶師匠をお迎えして皆様の仕事の人生のお悩みに応えます!ぜひご覧ください!

↓ ↓ ↓

https://youtu.be/B42lrh3JRsU

 

◎ぜひ!みなさん気軽にご参加、視聴ください!

◎仕事や人生での壁を乗り越えるヒントを得られることを約束します!

 

皆様の仕事の人生のお悩み、立川談慶師匠に聞いてみたいこと、受け付けています!

お悩みは、

●名前(ペンネーム可)

●大体の年齢

●一応性別

●なんとなくのご職業

●お住まいの都道府県的なもの
●ご相談内容
などを明記して下記のメールアドレスまでお願いいたします。

anchokojiten@gmail.com

 

■「あんちょこ相談会」第1回の無料ライブ配信の視聴は以下のURLから↓

https://youtu.be/TL2u2dysN7o

■「あんちょこ相談会」第2回の無料ライブ配信の視聴は以下のURLから↓

 https://youtu.be/HlII9pquOgM

■「あんちょこ相談会web」

https://anchokojiten.themedia.jp/posts/21528421

 

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角田 陽一郎/加藤 昌治

かくた よういちろう かとう まさはる

角田 陽一郎(かくた・よういちろう)

バラエティプロデューサー/文化資源学研究者 

千葉県出身。千葉県立千葉髙等学校、東京大学文学部西洋史学科卒業後、1994年にTBSテレビに入社。「さんまのスーパーからくりTV」「中居正広の金曜日のスマたちへ」「EXILE魂」「オトナの!」など主にバラエティ番組の企画制作をしながら、2009年ネット動画配信会社を設立(取締役 ~2013年)。2016年TBSを退社。映画『げんげ』監督、音楽フェスティバル開催、アプリ制作、舞台演出、「ACC CMフェスティバル」インタラクティブ部門審査員(2014、15年)、SBP高校生交流フェア審査員(2017年~)、その他多種多様なメディアビジネスをプロデュース。現在、東京大学大学院にて文化資源学を研究中。著書に『読書をプロデュース』『最速で身につく世界史』『最速で身につく日本史』『なぜ僕らはこんなにも働くのだろうか』『人生が変わるすごい地理』『運の技術』『出世のススメ』、小説『AP』他多数。週刊プレイボーイにて映画対談連載中、メルマガDIVERSE配信中。好きな音楽は、ムーンライダーズ、岡村靖幸、ガガガSP。好きな作家は、ホルヘ・ルイス・ボルヘス、司馬遼太郎。好きな画家は、サルバドール・ダリ。

                                                             

加藤 昌治(かとう・まさはる)

作家/広告会社勤務

大阪府出身。千葉県立千葉髙等学校卒。1994年大手広告会社入社。情報環境の改善を通じてクライアントのブランド価値を高めることをミッションとし、マーケティングとマネジメントの両面から課題解決を実現する情報戦略・企画の立案、実施を担当。著書に『考具』(CCCメディアハウス、2003年)、『発想法の使い方』(日経文庫、2015年)、『チームで考える「アイデア会議」考具応用編』(CCCメディアハウス、2017年)、『アイデアはどこからやってくるのか 考具基礎編』(CCCメディアハウス、2017年)、ナビゲーターを務めた『アイデア・バイブル』(ダイヤモンド社、2012年)がある。           

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