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雛、祭、人形(ひとかた)…雛祭りや端午の節句から生まれた珍名

珍名さん万歳(37)

日本全国に数多ある名字に高校生の時から興味を持ち、研究を始めた高信幸男さん。自身が全国を行脚し出会ってきた珍名とそれにまつわるエピソードを紹介する。

 

 3月3日は「雛祭り」で、全国各地で「雛祭り」に関した様々な催しが計画された。5月5日は「端午の節句」で男子の成長を願う行事であるが、「雛祭り」は女子の健やかな成長を願う行事である。

「雛祭り」は元々旧暦の3月3日に行われていたが、現在の暦では4月中旬にあたる。そのため、桃の花が咲く時期でもあることから「雛祭り」は「桃の節句」とも言われる。

「雛祭り」がいつ頃から始まった行事なのかは定かではないが、中国から伝わった五節句の一つで、原型となったのは平安時代の貴族の女子の中で行われていた雛遊びとも言われている。

 確かに、雛壇に飾られるのは、三人官女や随身(右大臣と左大臣)など、宮中を模した姿でもある。家庭内で行われていた雛祭りも、現在では屋外での百段飾りなど様々なイベントが各地で行われている。

 名字の中にも、雛祭りに関係しそうなものが存在している。雛(ひな)や、祭(さい・まつり)・弥生(やよい)・三月(みつき)・段(だん)・飾(かざり)・桃(もも)などである。また、雛人形の「人形(ひとかた)」という名字もある。「人形」という名字の由来として考えられるのは、ウラン採掘で有名な人形峠(鳥取県と岡山県の県境)の地名である。

 また、長野県松本市では、七夕に願いを短冊に書いて笹につるすのではなく、家の軒に人形をつるす風習(七夕人形)がある。名字の「人形」は「ひとかた」と読むことから、この風習と何らかの関係があるのではないかと考えられる。実際に、「人形」という名字は長野県に存在している。

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高信 幸男

たかのぶ ゆきお

名字研究家



1956年、茨城県大子町生まれ。高校の時から名字研究を始め、全国を旅しながら名字の由来やエピソード等を取材している。主な著書に『難読希姓辞典』『名字歳時記』『珍名さん』など。日本家系図学会員、茨城民族学会員、日本作家クラブ会員。


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