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【リスクと向き合う】投資はドーピング! 年金問題の「盲点」は世界最大の機関投資家「GPIF」

元・野村投信ファンドマネージャーの警鐘・金融資産が消滅する! 第1回

■年金問題の盲点  ~GPIFの存在が日本の株式市場の及ぼす影響~

 

「年金2000万円不足問題」に続いて、2019年の財政検証の結果、将来受け取れる年金額の目安となる「所得代替率」が今より2割低くなることが示されたことで、老後に備えた資産形成に対する関心が一気に高まりました。

 

しかし、こうした資産形成に対する関心が高まる中でも、資産形成に最も強い影響を及ぼす「概ね100年間で財政均衡を図る方式とし、財政均衡期間の終了時に給付費1年分程度の積立金を保有することとして、積立金を活用し後世代の給付に充てる」とした年金財政のフレームワークに、つまりGPIFの資産が今後どのように使われていくのか、それが金融市場に対して、そして個人の資産形成にどのような影響を及ぼしていくのかにスポットが当てられることはほとんどありません。

 

GPIFが世間の注目を集めるのは、一時的に多額の損失を生じた時だけです。そして10 兆円を超えるような多額の損失を出しても、「短期的な動きには一喜一憂しない」「直ちに年金給付に影響を及ぼすものではない」というお決まりの説明と共に一過性の出来事として葬られてきました。

 

しかし、今後はそうはいきません。GPIFの運用成績が「直ちに年金給付に影響を及ぼすものではない」という状況がしばらく変わることはありませんが、GPIFが管理運用している多額の資産が年金給付の財源確保のために使われるようになることで「GPIFの存在が直ちに金融市場、特に日本の株式市場に影響を及ぼすことになる」からです。

 

■世界最大の機関投資家GPIFが背負っている宿命

 

「世界最大の機関投資家」であるGPIFが金融市場の買手から売手に変身するということは、日本どころか世界の金融市場でも過去にない大事件のはずです。さらに、GPIFが買手として復活することは二度とありません。金融市場の歴史の中で一回も起きていない変化が起ころうとしている時に、この変化を軽視することは危険だと思います。

 

世界最大の機関投資家」であるGPIFは、「評価益を実現益に換えられない」という宿命を負っています。こうした宿命を負っている以上、GPIFの運用収益がどんどん向上していき、年金支給額が増えるということはほとんどあり得ません。少なくとも、GPIFの積立金から得られる財源が財政検証で期待されている額を下回るものになったり、GPIFの積立金が枯渇する時期が想定より早くなったりする可能性の方がずっと高い状況だといえます。

 

それは将来受け取れる年金が現在想定されている額よりも少なくなる可能性が高いということであり、年金不足が2000万円ではとても済まなくなる可能性が高まるというこ とです。

こうした状況の中で、「投資の常識」だという理由から漫然とGPIFと同じように「分散投資」をしたり、「ドルコスト平均法」を使って日本株投資をしたりしていけば、受け取る年金の減額と、個人の金融資産の減額というダブルパンチに見舞われることになりか ねません。

 

年金世代になった時に、公的年金と自らの老後資金が共倒れになるというダブルパンチを食らわないように、皆さんにはGPIFが金融市場で売手に変身する前に投資手法を再度検討してもらいたいと考えています。近著『202X 金融資産消滅』では、こうしたことが起こる理由について説明・検証し、どう対処すべきかを考えました。一助となれば幸いです。

 

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近藤駿介氏の最新著書『202X 金融資産消滅』新型コロナウイルス』は現在、ネット書店で手にいれづらくなっております。こちらで購入が可能です

【URL】https://bestsellers.official.ec/items/28385984

 

『202X 金融資産消滅』

近藤駿介著

 

アベノミクスを支えた世界最大の機関投資家GPIFの日本株離れが始まる。

個人の金融資産のメルトダウンをどう乗り切るか!?

 

 

元野村投信のプロ・ファンドマネージャー、現・金融経済評論家、コラムニストの著者がアベノミクス後にやってくる日本経済の危機に警鐘を鳴らす。アベノミクスを日銀とともに支えた世界最大の機関投資家GPIFが、安倍政権退陣後に日本株の売り手に転じることから株価が暴落し、日本人の金融資産や年金が大幅に目減りする。早ければ2020年代前半に始まる日本経済の長期低迷への備えを提案する。著者は東洋経済、ダイヤモンド、ブロゴスへの寄稿や、MXテレビ「WORLD MARKETZ」のレギュラーコメンテーターを務めるなど、さまざまな経済メディアで活躍中です。

内容

第1章 作り出されたアベノミクス相場

第2章 世界最大の機関投資家GPIFとは何だ

第3章 GPIFの運用の問題点

第4章 早ければ2020年からGPIFは売手に回る?

第5章 投資の常識は非常識

第6章 「世界最大の売手」が出現する中での資産形成

 

発売即重版3刷
『新型コロナウイルスの真実』
岩田健太郎医師・著

 

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  • 近藤駿介
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