コンビニスタッフが覚える作業は、なんと1200種! 負担を減らすにはどうすべき?<br /> |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

コンビニスタッフが覚える作業は、なんと1200種! 負担を減らすにはどうすべき?

コンビニを見るときっと気づく、日本の経済と働く皆さんが元気になる兆しがある

■慢性的な人手不足に悩むコンビニの救世主は、都市圏を中心に増える外国人アルバイト

 また、人手不足のなかで新たな労働力として期待されているのが外国人です。 厚生労働省によれば、2018年10月現在、国内の外国人労働者数は約146万人で、前年から約18万人増加し、過去最高を更新しました。政府は外国人労働者の受け入れ拡大を推奨していて、2018年12月には入管法改正案が成立。2019年度から5年間で最大34万5000人の受け入れを想定しているとのことです。

 コンビニでも外国人留学生のアルバイトは多く、JFA 一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会によれば、大手3社(セブン-イレブン、ファミリーマート、 ローソン)で働く外国人は2018年8月時点で約5万2000人。その多くは東京をはじめとした大都市圏ですが、全従業員総数(約78万人)の約7%を占めているのが外国人なのです。

 コンビニの人手不足対策においては、最終的にオーナーが1人でも運営可能な店づくりを目指すべきです。ただ、それはワンオペや無人店舗をはじめとしたあらゆる仕組みが整ってからの話なので、あくまでも長期的な目標です。大都市圏を中心とする現状では外国人の手を借りる必要があります。

 このため、コンビニ各社は外国人従業員向けの研修に力を注ぐなど、新たな労働力の獲得に動いています。とくにローソンでは、新型POSレジに多言語表示機能を追加。操作ステップを案内するナビゲーションでは、外国人労働者のなかでもとくに多い中国語・ベトナム語・ネパール語に対応させました。

 また、私個人としても外国人労働者にはとても期待しています。

 というのも、彼らは本当に優秀なんです。レジを適切に打てるし、態度の悪い客にもしっかりと対応しています。そもそもコンビニでは接客が必須ですから、一定の日本語能力がないと採用できません。外国人がコンビニの店頭に立つには、相当のスキルが必要なのです。日本企業はコンビニのアルバイト経験がある外国人留学生を雇用すれば、その企業の業績は伸びるのではとさえ思います。

 こうした事情から、コンビニ各社が加盟しているJFA 一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会は、外国人技能実習制度の対象職種にコンビニの運営業務を加えるよう要望していました。しかし、残念ながら2019年10月に外食業分野が追加された際、コンビニ業種は見送られています。

 思わず「何らかの思惑が働いたのではないか !?」と邪推したくなるほど残念でしたが、特定技能で外食業の接客が認められたため、いずれコンビニの接客も加わることを願っている次第です。

KEYWORDS:

 

【渡辺広明氏 出演情報】

2/1(土曜)発売 雑誌『広報会議』書評ページにインタビュー掲載

2/8(土曜)テレビ朝日『サタデーステーション』20:54〜

2/12(水曜)BS日テレ『深層NEWS』22:00〜

2/15(土曜)発売 雑誌『DIME』

2/19(水曜) フジテレビ『Live News α』 23:40~

2/21(金曜) 静岡朝日テレビ『とびっきり!しずおか』16:45〜17:53

 

 

 

『コンビニが日本から消えたなら』
渡辺広明 (著)

少子高齢化デフレ、AIデフレという新地獄に負けない経済戦略が実はコンビニで行なわれている! 日本一のコンビニ流通アナリスト渡辺広明氏が誰にとっても身近であるコンビニの最新施策を分析し、小売業の未来図を説く。今話題のコンビニ問題と社会問題に関する解決策を提案。ここまで真相に迫りって述べた作品は今までない!すべての業界で働くビジネスマンにも通じる「いい仕事」をするために何を考え何をすべきかを説くビジネスの教科書となる1冊です。

全国一律、「24時間開いててよかった」をキャッチフレーズとし年中無休の利便性を打ち出していたコンビニが、キャッチフレーズを「近くて便利」に変更し、上質な品揃えと接客で「お客様から常に頼りにされる店」へと変化しています。それがめまぐるしく変化を遂げるコンビニのレイアウトや新商品展開、AI IoTの導入、セルフレジの導入、健康・医療サービス、高齢者へのサービス、エコな商品の開発などに見て取れます。

1.こういった日本社会が抱える課題点とコンビニの変化には密接なつながりがあり、その問題を解決する施策こそ、従事する「人」が描くべき経済戦略であり、5万8699店舗という小売業界世界No, 1を誇るコンビニが取り組む施策だからこそ、必ずや世の中の常識となっていきます。この経済戦略、働き方の新方程式への気づきを読者が得られます。

2.著者渡辺さんが、今までTVでは表現し切れていない、とっておきのリアルなコンビニ店長時代の体験エピソードを放出して頂きます。これは読み手にとって青春時代のコンビニを思い出す原風景であり、コンビニはそこまでするのか…と驚きの内容となっています。いい仕事を目指す人にとって、感動し涙すること間違いなしです。

この2点が本書の最大のおすすめポイントです。

 

オススメ記事

渡辺 広明

わたなべ ひろあき

日本一のコンビニ流通アナリスト

静岡県浜松市出身。東洋大学法学部経営法学科卒業。 マーケティングアナリスト、流通アナリスト、 コンビニジャーナリスト。 静岡県浜松市の親善大使『やらまいか大使』。 (株)ローソンにて店長・スーパーバイザー・バイヤーとして 22年勤務。約730品の商品開発にも携わる。 ポーラ・オルビスグループ(株)pdc勤務、TBCグループ(株)で 商品営業開発・コラボ企画・海外業務を歴任後、 (株)やらまいかマーケティング 代表取締役社長に。 フジテレビ『Live News α』『ホンマでっか!?TV』での コメンテーターをはじめ、 『東京スポーツ』『デイリースポーツ』『オトナンサー』 『商業界ONLINE』にて連載を持つなど、 多種多様なメディアで活躍中。


この著者の記事一覧