◆多重債務者の借金返済は可能なのか?

———自己破産が再び増えている時代に、いったい、その原因となる破綻はどこから生まれるのですか?

テツクル「僕のところに来るのは事業主の方が大半なので、事業資金と金利をなるたけ低く抑えるための借り換えですよね。そういった方が多い。でも、すでに破綻してしまってるケースが多いですね。残念ながら融資したお金で事業が再生したって方は過去を振り返ってもそんなにいないです」

———最近の融資状況っていかがですか?

テツクル「それほど大きく変わっていません。ここ2年は融資案件自体が減っているので、世の中、多少はお金が回っていたんだっていう実感があります」

杉山「どんなことが推測されますか?」

テツクル担保を持っている方であれば銀行や信金など大手が低金利で融資の幅を広げていたので僕らのところまで落ちてくる人が少なかった。ただ、銀行や信金の融資の蛇口が閉まりだすと、次第に僕らのところまで落ちてきますから、それがいつのタイミングになるかっていうのを待っている状態ですね」

杉山「金融機関の利益が年々減少してきましたからね。積極的な営業の影響で事業主も借りやすく融資が出やすいということなのかもしれません。現在、その状況に変化が出ていますか?」

テツクル「そうですね。昨年から変化が多少は出てきてますし、銀行さんも昨年秋ぐらいから閉め出してますので、今年夏前ぐらいに潮目が変わるんじゃないかと思ってますね」

———多重債務者の「再生」はできるのでしょうか?

杉山「債務者が、返済できている限りは成功することもあるのでそれを否定することはできないです。ただ、私たち司法書士は、多重債務のリスクをどう回避するかのアドバイスに徹しています」

テツクル「ぼくのところに来る多重債務者は事業経営者ですので、その再生は、限りなく少ないです。融資返済を含めた経営再生プランも半端なく甘いです。もし大手銀行なら『再生プランの専決事項は、あなたが経営から退くことです』と言って門前払いするレベルだと思います。ぼくは、そんなこと言わないですけど」

———どのタイミングで飛ぶ(債務不履行する)のでしょうか?

テツクル「僕らの場合は3カ月から半年ぐらいでその傾向は出ます。1~2カ月ぐらいは頑張れるんですけど。うちは不動産(担保)の価値の70%まで融資するんですね。すでに他の街金が抵当権で入っている場合、担保設定がある以上、下の順位でもお貸しします。一番下の順位だと接触しやすいんです。僕ら相談を受けるふりをしながら客の相談に乗ると言って懐具合をマメに探っています。『ダメだな』と思えば物件を売るなり、僕が買い取るなり、どっちも嫌なら『競売だよ』っていうところに通していきます

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