コンビニが日本から消えたなら…みなさん、どうしますか? |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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コンビニが日本から消えたなら…みなさん、どうしますか?

どんな業界にも通じる「人」がなすべき働き方とは? コンビニを見るときっと気づくはず!!

社会の変化に伴い、「人」はどんな働き方をすべきなのか?

こうした社会問題が顕著となったいま、ファミリーマートの実験で興味深い結果が得られました。

2018年6月、ファミリーマートは大手ディスカウントストアのドン・キホーテと提携し、ドン・キホーテがオーナーとなり運営する都内3店舗で通称「ファミマドンキ」をオープンしました。ドン・キホーテの品揃えや売り場づくりを取り入れた共同実験店舗で、店舗の看板は、お馴染みの配色に「Family Mart」の文字。ただし、その横には「PRODUCED BY ドン・キホーテ」と付け加えられています。通常の品揃えに加え、ドン・キホーテが推奨する日用品や加工食品など約2800品を導入し、店内の商品数は計5000品。これらをドン・キホーテが得意とする〝圧縮陳列〞を用いて販売したところ、売上高は3店舗平均で3割も増加したそうです。

ようするに、ドン・キホーテの若者向け商品を入れたら、コンビニに若者が戻ってきて売上が伸びたというカラクリです。

そもそもショッピングにおけるエンターテインメントは、突き詰めて言えば、仕掛け以上に、消費者1人ひとりの趣味嗜好にも応えられる品揃えがあってこそなのです。世の中の人が万遍なく喜ぶ品揃えと、特定の人が喜ぶ品揃えは、残念ながら、まったくの別物です。それでも「最大公約数の品揃え」を掲げるコンビニが、その商品世界観のなかで、特定の人すらも喜ばせていくためにはどうしたらいいのか? 

AI活用による売れ筋商品の分析や売れ筋予測はもちろん必要です。

ただし、そこで留まってしまうのではなく、センスのある「人」が工夫を凝らして商品をセレクトし展開していく。これが未来のコンビニにおける、品揃えの最適な解答ではないでしょうか。

■一律化のコンビニから多様化のコンビニへ

また、AIやIoTが進化していけば、決済方法も変わるでしょう。現在の最先端モデルの1つであるamazon go では、入り口でスマホをかざしましたが、この作業すらも不要になります。顔や指紋などの生体認証によって銀行口座やクレジットカード情報と紐付けられ、手ぶらで決済できるようになるのです。

買い物における生体認証が一般化するとしたら、最初にその技術を大規模に取り入れるのはコンビニなのです。なぜなら、技術の発展は最も使用される場所・モノから スタートし、一挙に便利になっていくからです。利用者が多ければ多いほど、その場所・モノを用いた技術やサービスが充実し、集約していきます。これは工業界における技術標準化と似た理屈です。

コンビニは、多くのお客様のニーズに応え続けることで成長を遂げた小規模店舗型の小売業です。ただし、コンビニが標準化競争に勝利した裏では、多くの小売店が消え去りました。代表的な例は街の酒屋です。酒小売店は、1980年代まで食 品や日用品なども扱っていました。しかし、コンビニが登場すると、その圧倒的な品揃えに屈し、いつしかフランチャイズオーナーとなりコンビニへと姿を変えていったのです。

ほかにも、深夜営業や店舗数という武器によって、既存の小売店から少しずつ客層を取り込み、拡大を続けていきました。そして、極めつきはコンビニ同士の戦いです。 21世紀に入ると大手による吸収が活発化し、サンチェーン、ニコマート、新鮮組、am /pm 、ココストア、サークルK、サンクス、スリーエフ、セーブオンなどの中小コンビニチェーンが次々と姿を消していきました。

極端な話、消費がシュリンクしていく数十年後には、駅前の好立地にドラッグストアや総合スーパー、カテゴリーキラーなどが建ち並ぶだけで、残りの買い物はネット通販とコンビニだけになるかもしれません。

そうなると、各地のコンビニは大きな変貌を遂げるはずです。これまでコンビニは、徹底した店舗の一律化によってチェーンイメージを築き上げてきました。全国各地、どの店舗でも同じ品揃えで、同じ価格で、同じサービスを提供してきたのです。しかし、今後は場所によって変化するようになると予測します。

ビジネス街には効率を重視した無人店舗、高齢者が多い住宅街には接客を重視した店舗、ほかにもファストフードや店内調理を充実させ、フードコートのようにイートインが敷地の半分以上を占めるような店舗も生まれるかもしれません。

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【渡辺広明氏 出演情報】

 

1/29(水曜) くまざわ書店東京テレポート店(りんかい線東京テレポート駅構内 フジテレビ最寄り駅)にて15:00~19:30 著書『コンビニが日本から消えたなら』渡辺広明さんによる直接手渡し販売会&サイン会を開催

1/30(木曜) 静岡朝日テレビ『とびっきり!しずおか』16:45〜17:53

1/31(金曜)  静岡県浜松市(著者出身地)谷島屋書店浜松本店内エクセルシオールカフェにて18:30~20:00 著書『コンビニが日本から消えたなら』刊行記念トークショーを開催

1月最終週 TBSテレビ 『グッとラック!』8:00〜

2/1(土曜)発売 雑誌『広報会議』書評ページにインタビュー掲載

2/3(月曜) デイリースポーツ 連載『流通最新論』

2/3(月曜)発売 雑誌『リベラルタイム』特集記事

2/5(水曜) 東京スポーツ 連載『流通ウォッチャー』

2/15(土曜)発売 雑誌『DIME』

2/20(水曜) フジテレビ『Live News α』 23:40~

 

 

 

 

『コンビニが日本から消えたなら』
渡辺広明 (著)

少子高齢化デフレ、AIデフレという新地獄に負けない経済戦略が実はコンビニで行なわれている! 日本一のコンビニ流通アナリスト渡辺広明氏が誰にとっても身近であるコンビニの最新施策を分析し、小売業の未来図を説く。今話題のコンビニ問題と社会問題に関する解決策を提案。ここまで真相に迫りって述べた作品は今までない!すべての業界で働くビジネスマンにも通じる「いい仕事」をするために何を考え何をすべきかを説くビジネスの教科書となる1冊です。

全国一律、「24時間開いててよかった」をキャッチフレーズとし年中無休の利便性を打ち出していたコンビニが、キャッチフレーズを「近くて便利」に変更し、上質な品揃えと接客で「お客様から常に頼りにされる店」へと変化しています。それがめまぐるしく変化を遂げるコンビニのレイアウトや新商品展開、AI IoTの導入、セルフレジの導入、健康・医療サービス、高齢者へのサービス、エコな商品の開発などに見て取れます。

1.こういった日本社会が抱える課題点とコンビニの変化には密接なつながりがあり、その問題を解決する施策こそ、従事する「人」が描くべき経済戦略であり、5万8699店舗という小売業界世界No, 1を誇るコンビニが取り組む施策だからこそ、必ずや世の中の常識となっていきます。この経済戦略、働き方の新方程式への気づきを読者が得られます。

2.著者渡辺さんが、今までTVでは表現し切れていない、とっておきのリアルなコンビニ店長時代の体験エピソードを放出して頂きます。これは読み手にとって青春時代のコンビニを思い出す原風景であり、コンビニはそこまでするのか…と驚きの内容となっています。いい仕事を目指す人にとって、感動し涙すること間違いなしです。

この2点が本書の最大のおすすめポイントです。

 

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渡辺 広明

わたなべ ひろあき

日本一のコンビニ流通アナリスト

静岡県浜松市出身。東洋大学法学部経営法学科卒業。 マーケティングアナリスト、流通アナリスト、 コンビニジャーナリスト。 静岡県浜松市の親善大使『やらまいか大使』。 (株)ローソンにて店長・スーパーバイザー・バイヤーとして 22年勤務。約730品の商品開発にも携わる。 ポーラ・オルビスグループ(株)pdc勤務、TBCグループ(株)で 商品営業開発・コラボ企画・海外業務を歴任後、 (株)やらまいかマーケティング 代表取締役社長に。 フジテレビ『Live News α』『ホンマでっか!?TV』での コメンテーターをはじめ、 『東京スポーツ』『デイリースポーツ』『オトナンサー』 『商業界ONLINE』にて連載を持つなど、 多種多様なメディアで活躍中。


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