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一富士、二鷹、三茄子!「初夢」にちなんだ縁起の良い珍名

珍名さん万歳(35)

日本全国に数多ある名字に高校生の時から興味を持ち、研究を始めた高信幸男さん。自身が全国を行脚し出会ってきた珍名とそれにまつわるエピソードを紹介する。 

 

 新年の最初に見る夢を初夢という。初夢については鎌倉時代の文献にも書かれているが、一般化したのは江戸時代と言われている。

 これは、新年最初の夢で、その年の吉凶を占う意味が込められていたものと考えられる。初夢で縁起が良いとされているのが、「一富士(いちふじ)、二鷹(にたか)、三茄子(さんなすび)」である。なぜ、一が富士で、二に鷹、三に茄子なのかには諸説がある。一説には、富士山は「不死」を、鷹は「高い」、茄子は「成す」を意味していると言われている。これらは、全て縁起のよい言葉である。

 では、なぜ富士山や鷹、茄子を当てたのかは不思議であるが、俗説によれば駿河国(現静岡県)で価値の高いものを並べたとされている。つまり、駿河国では、富士山と愛鷹山(あしたかやま)、初物の茄子が価値が高いとされていたと考えられる。

 また、他説では、徳川家康が好んだ富士山と鷹狩り、初物の茄子からとも言われている。いずれが正しいかは不明であるが、今日でもこの三種が初夢で縁起が良いとされているのは事実だ。名字の中に「初夢」は存在しないが、初夢で縁起が良いとされる「富士(ふじ)」が徳島県や静岡県に、「鷹(たか)」が石川県や北海道に、「茄子(なす)」が兵庫県や広島県に存在している。

 なかには、欲張りな「冨士鷹(ふじたか)」という名字も徳島県に存在いている。これらの名字は、地名や職業から生まれたことが考えられるが、なかには初夢に思いを込めて名字にしたものもあるのではないかと考えてしまう。いずれにしても、縁起の良い名字には変わりはない。

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高信 幸男

たかのぶ ゆきお

名字研究家



1956年、茨城県大子町生まれ。高校の時から名字研究を始め、全国を旅しながら名字の由来やエピソード等を取材している。主な著書に『難読希姓辞典』『名字歳時記』『珍名さん』など。日本家系図学会員、茨城民族学会員、日本作家クラブ会員。


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