一瞬で命を奪う建物倒壊への「耐震化」をどう進めるか〜少子高齢化にともなう老朽化する空き家問題と耐震対策〜【阪神・淡路大震災25年目の真実❺最終回】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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一瞬で命を奪う建物倒壊への「耐震化」をどう進めるか〜少子高齢化にともなう老朽化する空き家問題と耐震対策〜【阪神・淡路大震災25年目の真実❺最終回】

あなたと愛する人の命を守るためのメッセージ⑤【最終回】

命を守るためのメッセージ

「命を守る」。無条件に生命を守り、救うことは大事である。

 耐震化の他に例えば、「家具を固定する、通電火災を起こさないためにブレーカーを落とす、大地震の際には自動車を使わない、スマホでの流言飛語・デマには注意する」などなどいろいろな対策が目の前にすでに周知されている。しかし、実際の文脈、被災者の立場にならないと「自分ごと」として行動することは難しい。特にネットリテラシーが高く「誰トク」でしか動けなくなった合理的な人間が多ければ多いほどなおさらのことだと思う。ならば、その「難しい、誰トク=自分の得」をくり込んだ対策をするしかない。例えば・・・

 ●耐震化は自分の不動産価値を高め、運用できるので行う! 
 ●通電火災対策で持続的生活と自宅の資産価値も守れるからやる!
 ●車移動は渋滞のため歩くよりも超絶遅いからやめる!
 ●デマで他人を傷つけるのは、超時間のムダだから、マジ勘弁!

 ……など、自分の損得勘定で考え動くだけでも「結果的に」自分や他人の生命と財産の安全を積極的に守れるのではないだろうか。

 それ以上でもそれ以下でもなく、これでいいのではないだろうか。

 6434人が犠牲になった阪神・淡路大震災。その慰霊は、悲しみと向き合うことと同時に、今、生きている者が、日々の生活で喜怒哀楽、損得勘定含めて自由に楽しく命を大切に生きることが「もっと生きたかった」犠牲者への慰霊となるとも言えないだろうか。なぜなら犠牲者の方々も私たちと同じ国の文化で生きる人間であり、同じである以上、生きる生命の価値も同じだったはずだからである。だからこそ、今生きている者は最大に自分の命を大切に生きなければいけないのであろう。
 25年前の記憶と記録は、「人生を最大に生きる」ことを与えられた私たちへの「命のメッセージ」かもしれない。【終】

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震度7 何が生死を分けたのか
NHKスペシャル取材班

 

都市直下地震で人はどのように命は奪われるのか

第42回放送文化基金奨励賞受賞
大反響となった「NHKスペシャル」待望の書籍化!
本書では、新たに追加取材を行い、番組で放送できなかった内容までフォロー
来るべき都市直下地震を見すえ
今、命を守るために何をすべきなのか
その対策を、提示します。
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「本当にこんなものが残っていたとは……」(本文より)

阪神・淡路大震災 21年目に初めて明らかにされた
当日亡くなられた5036人の「死体検案書」のデータ。
死因、死亡時刻を詳細に記したデータが物語る「意外な」事実。
一人ひとりがどのように死に至ったのか。
「震災死」の実態をNHKの最新技術(データビジュアライゼーション)で
完全「可視化」(巻頭カラー口絵8P)
震災死の経過を「3つの時間帯」で検証した。
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【3つの時間帯とその「意外な事実」】
21年間「埋もれていた」5036人の死因、死亡時刻を詳細に記した検案書データ。
そこには地震発生から「3つの時間」経過とともに
犠牲者の実像、その「意外な事実」が明らかにされた。
1 地震発生直後:当日亡くなられた76%(=3842人死亡)の死因
なぜ、圧死(即死)はわずか8%だったのか!
2 地震発生1時間後以降:85人の命を奪った「謎の火災」の原因
なぜ、92件の火災が遅れて発生したのか!
3 地震発生5時間後以降:助けを待った477人が死亡した理由
なぜ、救助隊は交通渋滞に阻まれたのか!

本書はこの「3つの時間帯」で起こった意外な事実を科学的に検証。
浮き上がった「命を守るための課題」と「救えた命」の可能性を探るとともに
首都直下地震など、次の大地震に向けた対策を提示する。

【目次】

カラー口絵 序 章 5036人の死 そこには救えた命があった
第1章 命を奪う「窒息死」の真相 自身発生直後
第2章 ある大学生の死 繰り返される悲劇・進まない耐震化
コラム1 被害のないマンションでも死者が 現代への警告
第3章 時間差火災の脅威 地震発生から1時間後以降
第4章 データが解き明かす通電火災21年目の真実
第5章 通電火災に備えよ
コラム2 〝命の記録〟を見つめる 新たな分析手法と防災
第6章 渋滞に奪われた命 地震発生から5時間後以降
第7章 いまだ進まない根本的対策

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【参考資料】

国土交通省「住宅・建物の耐震化について」

株式会社キーマン

 

 

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  • 2016.10.26