吉本、ドラッグ、タピオカ恫喝、二世迷走~2019芸能総括【スキャンダル編】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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吉本、ドラッグ、タピオカ恫喝、二世迷走~2019芸能総括【スキャンダル編】

2019年もあとわずか…芸能界のスキャンダルをランキング形式で振り返る

 2019年の芸能界をランキング形式で振り返る第2弾。今回は、スキャンダル編だ。

 例によって、4~10位プラス次点を先に発表してみる。

④NGT48・山口真帆をめぐる暴行事件とその後の混乱
⑤不倫?で離婚、神田沙也加は聖子のDNA継ぐか
⑥強制性交で逮捕の新井浩文、作品の扱いでも論議生む
⑦浜崎あゆみ、暴露小説で過去を切り売り
⑧剛力彩芽、ZOZO破局の原因は月旅行?
⑨小藪ポスター炎上、クレーマーに気をつけろ
⑩坂口杏里、高橋祐也また逮捕

次点 貴乃花&優一共倒れで花田家物語は千秋楽へ

 まず、次点は長年騒がせてきた「花田家物語」の終焉近しを感じさせた出来事。相撲協会との対決に敗れた貴乃花とともに、息子の優一も靴職人としてのキャリアをちょっと盛っていたことなどが発覚し「アスリート二世タレント」の座をMattに奪われてしまった。

 二世といえば、10位のふたりもせつない。今回の逮捕はともに愛のもつれによるトラブルだが、母親はそれぞれ、坂口良子と三田佳子という好感度女優だ。人気まではなかなか遺伝しないものだと、改めて思わされる。

 その点、けっこう頑張っているのが神田沙也加だ。離婚理由は「子作り」をめぐる温度差(望んだのは夫だった)と発表されたが、ジャニーズJr.との不倫報道も出た。三度の結婚をはじめ、熱愛量産機というべき母・松田聖子の遺伝子をどの程度受け継いでいるのか、今後に注目したい。

 不倫では原田龍二や小手伸也も話題になったが、小粒感を否めない。数年来の不倫ブーム(?)も一段落だろうか。

 スケールの大きな破局としては、剛力彩芽のケースがある。恋人だったZOZOの創業者・前澤友作社長が、月旅行を計画していることから、

「月旅行ですれ違いか」「私は月に行けない、でお別れ?」「月旅行と女優業、方向性違い終止符」

 などと、メディアに書き立てられたほどだ。相手は日本3位の億万長者。米国あたりなら金銭面で大モメしそうなパターンだから、円満に別れられたのが不思議なくらいである。

 これに比べたら、浜崎あゆみが許可して小説「M」に書かせたエイベックス松浦勝人(現会長)とのケースですらかすんでしまう。それでも、切り売りできる過去があるのは幸せなことだ。長瀬智也やダンサーの内山麿我との話を書いた「N」や「M2」なども期待しておこう。

 6位と9位は、コンプライアンス的な側面が気になるところ。新井浩文の強制性交事件では、公開中止や放送・配信の自粛が相次ぎ、業界が神経質になりすぎなのではという声も出た。かつて「真田丸」の加藤清正役で見せた凶暴な魅力などは、犯罪者になりかねないような人だからこそ醸し出せるものでもあるのだが。

 同様に、小籔千豊が瀕死の患者に扮した厚生労働省のポスターが、気味が悪いという理由などから発送中止になったりした。末期医療における本人や家族の意思疎通の啓発をしようとしたものだが、ここ数年、声の大きい少数派がクレーマー化することにより、表現の自由が損なわれることが増えている。京アニ火災とはまた違った意味で、文化を燃やそうとする動きに対し、なんらかの対抗策が必要だ。

 4位は今年前半に、大きな注目を浴びたNGT事件。地域密着型の「会いに行けるアイドル」における、グループ内のいじめ的構図に、密着しすぎたファンが絡んだものだと報じられた。ただ、被害者としてクローズアップされた山口はこの闇によってむしろ月のような輝きを放ったともいえる。その後、大手事務所に移籍して、写真集も発売した。

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『痩せ姫 生きづらさの果てに』
エフ=宝泉薫  (著)

 

女性が「細さ」にこだわる本当の理由とは?

人類の進化のスピードより、ずっと速く進んでしまう時代に命がけで追いすがる「未来のイヴ」たちの記憶
————中野信子(脳科学者・医学博士)推薦

瘦せることがすべて、そんな生き方もあっていい。居場所なき少数派のためのサンクチュアリがここにある。
健康至上主義的現代の奇書にして、食と性が大混乱をきたした新たな時代のバイブル。

摂食障害。この病気はときに「緩慢なる自殺」だともいわれます。それはたしかに、ひとつの傾向を言い当てているでしょう。食事を制限したり、排出したりして、どんどん瘦せていく、あるいは、瘦せすぎで居続けようとする場合はもとより、たとえ瘦せていなくても、嘔吐や下剤への依存がひどい場合などは、自ら死に近づこうとしているように見えてもおかしくはありません。しかし、こんな見方もできます。

瘦せ姫は「死なない」ために、病んでいるのではないかと。今すぐにでも死んでしまいたいほど、つらい状況のなかで、なんとか生き延びるために「瘦せること」を選んでいる、というところもあると思うのです。
(「まえがき」より)

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宝泉 薫

ほうせん かおる

1964年生まれ。主にテレビ・音楽、ダイエット・メンタルヘルスについて執筆。1995年に『ドキュメント摂食障害―明日の私を見つめて』(時事通信社・加藤秀樹名義)を出版する。2016年には『痩せ姫 生きづらさの果てに』(KKベストセラーズ)が話題に。近刊に『あのアイドルがなぜヌードに』(文春ムック)『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、最新刊に『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)がある。ツイッターは、@fuji507で更新中。 


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痩せ姫 生きづらさの果てに
  • エフ=宝泉薫
  • 2016.08.26