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中田翔獲得で巨人は完全に終わってしまうかもしれない【篁五郎】

■巨人時代は結果を残すことができず背番号も55をはく奪された選手

 

 しかし、巨人時代は結果を残すことができず背番号も55をはく奪され、2016年に日本ハムへトレードされた。ところが日本ハムで眠っていた才能が開花。見事にスタメンへと定着をし、2019年には1億円プレイヤーの仲間入りを果たした。翌20年には打率.275、14本塁打、68打点と安定した成績を残し、守備ではゴールデングラブ賞も受賞している。

 その大田が2018年に写真週刊誌「FRIDAY」(講談社)のインタビューで巨人時代を振り返っている。

 2年目に1軍に昇格するも原監督に「誰だ? あんなバッティングフォームにしたのは」と言われ、コンパクトに振るようにマンツーマンで打撃指導をされた。しかし結果を残せず6打席だけで二軍へと降格。打撃練習では1球ごとにコーチから指導が入ったそうだ。

「いろいろな方から様々な忠告を受け、頭がパニック状態でした。自分を見失い、結果を出せない。必要以上に落ち込んだり、ふてくされた態度をとったこともあります。当時の岡崎郁(かおる)二軍監督から『あんまり腐るなよ』と声をかけられ、他の選手に見られないようにベンチ裏で悔し涙を流したことも一度だけではありません。ボール球を振ったらどうしよう、凡退したらどうしようと、気持ちはどんどん消極的になっていく。どん底でした」

 それが日本ハムで開花したのは巨人とは真逆の環境にあったという。それは自分から聞きにこない限りコーチは指導をしないというルールだったからだ。上から押し付けない指導が大田には合っていたのだ。

 中田も日本ハムでは同じように、自分が疑問をもたない限りはコーチから指導をされない環境で育ってきた。しかし巨人は真逆である。原監督と石井コーチが付きっきりで指導した点でも明らかだ。プロ入りしてから13年、のびのびと好き勝手やってきた中田が巨人の環境に耐えられるのか? そう聞かれると疑問符が付く。

 お山の大将だったからからこそ後輩への暴力をふるったし、日本ハムの川村球団社長が謝罪文でも明らかにしたように試合前の選手円陣で差別的発言をした。

 もちろん今は大人しくしているだろう。

 何せ批判が集中していることは中田本人も自覚しているのは間違いない。問題はそれがいつまで続くかだ。慣れてきたらまたやらかしてしまうのではないか? という懸念もある。またチーム内で問題を起こしてしまうのかもしれない。

 いや、チーム外でやらかす可能性がある。

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篁五郎

たかむら ごろう

1973年神奈川県出身。小売業、販売業、サービス業と非正規で仕事を転々した後、フリーライターへ転身。西部邁の表現者塾ににて保守思想を学び、個人で勉強を続けている。現在、都内の医療法人と医療サイトをメインに芸能、スポーツ、プロレス、グルメ、マーケティングと雑多なジャンルで記事を執筆しつつ、鎌倉文学館館長・富岡幸一郎氏から文学者について話を聞く連載も手がけている。

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