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欧米のMMT論者は歴史認識問題にこだわる!

令和の真相?

◆貨幣理論と南京大虐殺

 話はここで終わらない。

 ケルトンに続いて、藤井さんはビル・ミッチェルを招聘しました。

 こちらの招聘には、左翼系の政治運動「薔薇マークキャンペーン」も関わったようですが、ケルトン訪日をめぐる騒ぎを見たミッチェル、いろいろ条件をつけた旨、ブログで公表します

 

 特定の人物・組織・雑誌(名前は伏せられていますが、文脈からいってどれも保守系でしょう)の関わるイベントには出ないとか、面会を拒否する人々のリストを作成して渡したとか、インタビューは日本の主要メディアと代表的な国際メディアに限るとか、あれこれ書いてあるものの、とくに目を惹くのはこれ。

 藤井さん、2018年から『表現者クライテリオン』という雑誌の編集長を務めているのですが、ミッチェルは同誌に「南京大虐殺は幻だった」と主張する記事が掲載されたとして、削除を要求したのです!

 

 どうやら思い違いだったらしく、藤井さんとのやりとりのあと、ミッチェルは要求を取り下げますが、貨幣理論と歴史認識問題に一体どういう関係があるのか。

 とまれ欧米のMMT論者が、わが国のナショナリズム、およびナショナリスト(つまり保守派)にたいして、相当に否定的な態度を取っていることは否定できません。

 

 来日中(離日直前のようです)のブログでも、ミッチェルは藤井さんへの謝意を表明しつつ、まだこんなことを書いている。

 

【私が出会った人々の政治的な立場はさまざまだった。進歩派(注:つまり左翼)の中には、保守派の人間とMMTや経済政策の話をするなど間違っていると考える者もいるかも知れない。だが私の持論は「啓蒙は力なり」である。保守派の連中がこちらに寝返るよう仕向けずして、進歩派が勢力を強めるなどありえない。私はMMTリクルート担当官として全力を尽くしたのだ。】

 

 お分かりですね。

 ミッチェルにとってMMTはあくまで左翼理論であり、保守系の人間と接触するのは、左翼に転向させるための手段にすぎないのです!!

 

 だが、どうしてこういう話になるのか。

 その秘密は、次号「衝撃! MMTはグローバリズムを正当化する!」で明かすことにします。

(了)

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佐藤 健志

1966年東京都生まれ。評論家・作家。東京大学教養学部卒。1989年、戯曲「ブロークン・ジャパニーズ」で文化庁舞台芸術創作奨励特別賞受賞。

主著に『右の売国、左の亡国』『戦後脱却で、日本は「右傾化」して属国化する』『僕たちは戦後史を知らない』『夢見られた近代』『バラバラ殺人の文明論』『震災ゴジラ! 』『本格保守宣言』『チングー・韓国の友人』など。

共著に『国家のツジツマ』『対論「炎上」日本のメカニズム』、訳書に『〈新訳〉フランス革命の省察』、『コモン・センス完全版』がある。

ラジオのコメンテーターはじめ、各種メディアでも活躍。2009年~2011年の「Soundtrax INTERZONE」(インターFM)では、構成・選曲・DJの三役を務めた。


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