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欧米のMMT論者は歴史認識問題にこだわる!

令和の真相?

◆欧米のMMT論者は保守が嫌い!

 当たり前ですが、MMTは欧米で生まれた理論。

 『MMT 現代貨幣理論』の著者L・ランダル・レイのほか、ステファニー・ケルトン、ビル・ミッチェルといった経済学者が、MMT派の有名どころです。

 

 しかるにお立ち会い。

 これらの人々の政治的な立場は、そろって左翼なのです。

 中野剛志さんは、MMTをめぐる東洋経済主催の討論(私も参加しました)で「MMT自体、政治的には本来、ニュートラル(注:中立的)な議論です」と述べましたが、「本来」と断っていることが示すように、現実はそうなっていません。

 

 驚くなかれ、欧米のMMT論者たちは、保守系と目される言論人や政治家と接触することにすら及び腰なのです。

 たとえば2019年夏、ステファニー・ケルトンは藤井さんの招聘により来日しました。

 これには三橋さんも協力しています。

 

 ところがアメリカのMMT派がつくる団体「現代貨幣ネットワーク(Modern Money Network, MMN)に「ケルトンめ、日本の右翼ナショナリストと接触するとは何事だ!」という旨の批判が寄せられる。

 藤井さんが安倍政権で内閣官房参与を務めたことがあり、三橋さんも保守系と見なされていること、あるいは自民党の国会議員と面会したことが問題視されたのです。

 

 批判を寄せたのは「自由社会主義者会議」(Libertarian Socialist Caucus, LSC)という左翼団体ですが、ケルトンへの謝罪要求や、事と次第ではMMNが主催する会議のボイコットを呼びかけるという通告まで含んでいたため、MMNが声明を発表する事態となりました。

 

 それによればケルトン、次のような対応を取ることにしたとか。

1)保守系MMT論者からの再度の訪日招聘を断る。

2)日本で保守系と目されているメディアの主催するイベントには、今後一切参加しない。

3)日本の左翼系MMT論者とは接触を保つ。

 

 まったくニュートラルでない姿勢と言わねばなりません。

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佐藤 健志

1966年東京都生まれ。評論家・作家。東京大学教養学部卒。1989年、戯曲「ブロークン・ジャパニーズ」で文化庁舞台芸術創作奨励特別賞受賞。

主著に『右の売国、左の亡国』『戦後脱却で、日本は「右傾化」して属国化する』『僕たちは戦後史を知らない』『夢見られた近代』『バラバラ殺人の文明論』『震災ゴジラ! 』『本格保守宣言』『チングー・韓国の友人』など。

共著に『国家のツジツマ』『対論「炎上」日本のメカニズム』、訳書に『〈新訳〉フランス革命の省察』、『コモン・センス完全版』がある。

ラジオのコメンテーターはじめ、各種メディアでも活躍。2009年~2011年の「Soundtrax INTERZONE」(インターFM)では、構成・選曲・DJの三役を務めた。


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