【首肉】
 首回りの肉。豚での名称は豚トロ。癖がなく、煮込むとほろほろとしていて絶品……!ジューシーで口の中でふわふわと解けていきます。絶対食べて欲しい。私は師匠のイノシシ料理で首肉の醤油煮込みが一番好きです。

【背ロース】
 胴体の背中側の肉。脂が乗っていて柔らかく、血が残りにくいため、くさみはほぼ無い。牛や豚と同じで高級部位。どの調理にも使えるが、私はスライスして焼肉、厚めに切ってステーキにして食べました。串焼き等の単純で肉そのものの旨味を味わえる調理が向く。また、形が均一でスライスしやすいので、ぼたん鍋にもおすすめですね。

【肩ロース】
 背ロースよりも頭側。肩から背中にかけての肉。背ロースに比べて脂が少ない(春先に捕れたオスの場合、この部位の脂がヨロイになるのでほぼ取り除く場合もある)。前足に近いため、背ロースより肉質は固めで、味が濃い傾向にある。肉の味が濃い=クセが強いので、すき焼きやタレに漬け込む等の濃いめの味付けに向いています。ガツンとしたジビエ肉が好きな方にはお勧めです。

【ランプ】
 背ロースの後ろ側。腰から尻にかけての肉。モモ肉に近いため少し歯ごたえがあるが、脂が乗りやすく、背ロースよりも脂が多い事も。くさみもほぼ無いので、脂の乗り具合でどんな料理にもおすすめ!

【ヒレ肉】
 背ロースの内側にある部位。牛や豚と同じくわずかしか取れない希少部位で、脂はほぼ無く、ロースよりも柔らかくクセもない。ヘルシーで柔らかいので、ヒレステーキやヒレカツ等がおすすめ。また大きな個体が捕れたらローストポークなんかも……いやぁ、ローストポーク美味しかったなぁ……。

【バラ肉】
 アバラ周りの肉。とにかく脂。脂の旨味を食べたければコレしか無い。豚バラのように角煮やチャーシュー等の煮込み料理がもう本当に絶品で……! だけど、せっかくバラ肉を1枚丸々手に入れたのなら、まるごとベーコンにしてしまうという手も……! 今年は丸ごとベーコンに挑戦しようと思います!

【モモ肉】
 後ろ足の肉。モモ肉の中でも部位によって細かく分ける場合もあるが、全体的に赤みが多めで、味が濃く歯ごたえも強い。足の肉なので形が均一でなく、太めの筋が通っている事もあるので、細かい調理が面倒なら煮込み料理にしてしまっても良いかも。脂が少ない部分はジャーキーなどにすると冬の間中楽しめますね! 愛犬にもいかがでしょうか?

 

※臭みを消すためには※

 どうしてもジビエの臭みが気になる、だけど食べたい! そんな方の為に臭みを和らげる方法があります。イノシシ肉を酒に1日漬けこんでおきましょう。臭みがなくなるだけではなく、肉質が柔かくなります。水1に対して酒1の中にひと晩漬けて、よく洗いキッチンペーパーでふき取ってからから調理をしましょう。レシピによって、ワインやビール、ヨーグルト、味噌、塩麴などを使い、同じく漬け込み臭み抜きをする方法があります。

 

【その他まとめ】

 これらの他にも細かい肉は沢山取れるし、モツや猪足(豚足のイノシシバージョン)、骨からは出汁が取れます。湯剥きや毛焼きで処理したイノシシなら、顔の皮を剥けば沖縄ではチラガーと言う一般的な食材にもなります。小さめのイノシシなら肉を取った後の肋骨を焼肉のタレにつけて、炭火で焼いて食べるとパリパリのせんべいの様に食べられておすすめですよ。ビールが進んじゃいます。ちなみに睾丸も珍味として食べられます。もっちりとしていて、濃厚な味わいでしたね。

 そう、命は丸ごと頂けるのです。

 

【終わりに】

 今回は、ジビエを食べる為に知って頂きたいことや、美味しい食べ方、各部位調理法や伝統レシピについてお伝えさせて頂きました。私たちの都合で駆除した命、私はしっかりと頂食し、自分の命に繋げていきたいと思って取り組んでいます。その為にも学び続けて行きたい。次回は狩猟活動には欠かせないナイフについて、銃刀法など、法律に絡めてお伝えしていきたいと思います。この連載を通して私の、私たちの想いが、少しでも誰かに繋がり、そして何かのお役に立てれば幸いです。