韓国芸能界の『うつ病芸能人』を生み出す土壌とは ~韓国人には精神疾患が多いというデータ~ |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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韓国芸能界の『うつ病芸能人』を生み出す土壌とは ~韓国人には精神疾患が多いというデータ~

強靱な精神力がないと生き残れない

■強靱な精神力がないと生き残れない

 韓国芸能界の厳しい生存競争は、自殺の原因の一つであるといえる。

 韓国の芸能界では事務所とタレントの給与配分は一般に7対3、あるいは8対2の割合とされ、公演の経費も芸能人が自腹を切る場合があるという。

 小規模芸能事務所の多くは、経営状態が良くないという理由で、タレントの給料を搾取して、一割の報酬さえも得られない悲惨な境遇に置かれているようで、こうした芸能人の数は少なくない。

 芸能プロダクションにしても、一発当たれば大金が入る韓国芸能界に憧れて、次々と人材を送り込むが、成功するには莫大な投資が必要なことは、これまで紹介してきた通りである。

 投資をしても当たるかどうかは分からないというギャンブルで、ハイリスクの世界を耐え抜いていくのは容易ではない。当事者たちはいつも不安とストレスに苛まれているのである。

 それに、韓国内での市場は狭く、仕事の量が限られているがタレントは多く、凄惨な競争の中で栄光をつかみ取らねば生きていけないという状況がある。

 過度な競合環境で、芸能人は所属事務所にコントロールされ、金儲けという歯車の一部になってしまっているのだ。

 そのため、タレントは恋愛や髪形、些細な私生活まで、すべてを事務所に管理されているケースが多く、事務所が想定している理想の姿が求められており、自由はまずないといっていい。

 そのうえ前述したように、事務所から性的な奉仕を強要されるケースもある。

 多くの芸能人は、人気が出ると奴隷契約から逃れようとして、事務所から独立することを望む。

 しかし、人気があるタレントでも、プロモートしてビジネスとして芸能界を泳ぎ渡っていくノウハウに乏しいため、失敗する例が多い。

 仕事の絶対数が限られている中で、業界の既得権益を犯す新しい動きは、業界全体として極度に警戒されるのだ。

 芸能界の、特にK–POPにコリアンドリームを夢見ている多くの人には、この件についての現実的理解に乏しいように私には思える。

 日本の芸能界は韓国と比べて市場の懐が深く、日本的な習慣として、タレントには「月給+広告などの収入の歩合制」で支払われることが多い。

 つまり、タレントを商品としては見ず、持ちつ持たれつの関係という傾向が強く、タレントたちは比較的安定した収入を得られているようだ。

 事務所のタレントに対する私生活への干渉も、韓国スターに比べて低いようだ。

 私は、日韓双方の芸能界にかかわって来たが、そのことからいえることは、韓国芸能界は自分が生き残るために切磋琢磨し、相手を打ち負かしてでも生き延びていくというものだ。

 一方で日本の芸能界では、もちろん競争はあるが、個性を重んじ、和をもって尊しとする風潮があるように思う。

 日本は周りを海に囲まれた島国国家で、外国からの侵略が少なく過ごしてきた歴史観があり、韓国は半島だが大陸の強大な国と地続きで繫がり、海からも侵攻を受け続けてきた歴史を持つ歴史観があるように思える。

 それが両国民の意識の違いだろう。それが日韓両国の芸能界のありようが違う要因の一つになっているように思えるのだ。

 日本に比べ、韓国の芸能人の自殺が遥かに多い一因は、この辺りにありそうな気がするのだが、どうだろうか。

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『韓流アイドルの深い闇』
金山 勲 (著)

 

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金山 勲

かなやまいさお

1956年、在日韓国人二世として、大阪で生まれる。東京の大学在学中に、TV 番組制作会社でアルバイトし、その後日本の芸能プロダクションに勤務する。韓国取材で韓国芸能界との交流が生まれる。ある韓国人女性歌手の日本デビューの手助けを頼まれ、彼女の日本滞在中の面倒を見たことで独立し、韓国から芸能人を受け入れるための事務所をソウルと東京に開設。韓流ブームがあり、当時交流した芸能事務所の担当者たちが韓国内で様々なジャンルの芸能事務所の社長になっていることで、韓流タレントの招聘や韓流ドラマの輸入に携わる。


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  • 金山 勲
  • 2019.09.21