中田翔が巨人で更生できないと断言できる3つの理由【篁五郎】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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中田翔が巨人で更生できないと断言できる3つの理由【篁五郎】

 その理由は、2012年6~7月に原監督が過去の女性問題に絡み元暴力団員に1億円を支払った件にある。反社会的勢力に金を払っていたとなると、これは明らかに野球協約に違反するが、原監督は処分を受けていない。それどころか巨人は記事を掲載した週刊文春を名誉毀損で訴えて最高裁まで争っている。2016年に巨人の敗訴が確定した。

 その後も原は処分を受けていない。前年に監督を辞任して当時現役だった高橋由伸を後継者に指名し、プロ野球球団関係者ではなくなっていたのだ。巨人と監督として残っていたら処分対象になったかもしれないが、プロ野球機構とは関係なければ処分はできない。ところが高橋由伸監督の辞任を受けて現在、三度目の監督をしている。この件について責任を取ったとは言えないままで監督に復帰をし、契約満了となるのだ。一部報道ではコミッショナーに就任なんてのがあるが原にそんな資格などない。

 最後の問題点は巨人自体の体質である。2015年秋から翌2016年春にかけて明るみに出た野球賭博事件やSNSでの全裸乱痴気騒ぎの動画公開や同僚の野球用具の窃盗と不祥事が相次いでる。その都度処分をしてきたが、球団の体質が変わったのかと言われると甚だ疑問である。

 その最たる例が今回のトレード劇による美談の演出である。

 本来であれば、少なくても今シーズンが終わるまで日本ハムで出場停止のまま契約を満了し、その後に自由契約なり、トレードなりで受け入れ先を探すのが筋だったといえる。

 しかし日本ハムは栗山監督も吉村GMもそうした責任から逃れるように巨人に泣きつき、編成権を持っている原監督が受け入れて今日まで来てしまった。

 「中田は巨人で結果を出すしかない」

 今回のトレードでそういった論調で評論家やプロ野球OBが語っていたが、恐らく中田は結果を残しても巨人ファンからも歓迎されないし、いつまでも今回のトレードがついて回るだろう。

 中村紀洋は日本シリーズMVPで「銭ゲバ」のレッテルが消えたが、中田翔が「暴力野郎」と言われ続ける理由である。そして特別扱いを受けた中田翔は、周りと溶け込むことなく巨人で過ごすことになるかもしれない。それは中田翔が暴力行為をする人間ではなくなったのではない。単に中田翔が巨人で孤独に過ごしているだけである。

 もしかしたらそれが中田翔にとっての罰なのかもしれない。

 

文:篁五郎

 

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篁五郎

たかむら ごろう

1973年神奈川県出身。小売業、販売業、サービス業と非正規で仕事を転々した後、フリーライターへ転身。西部邁の表現者塾ににて保守思想を学び、個人で勉強を続けている。現在、都内の医療法人と医療サイトをメインに芸能、スポーツ、プロレス、グルメ、マーケティングと雑多なジャンルで記事を執筆しつつ、鎌倉文学館館長・富岡幸一郎氏から文学者について話を聞く連載も手がけている。

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