中田翔が巨人で更生できないと断言できる3つの理由【篁五郎】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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中田翔が巨人で更生できないと断言できる3つの理由【篁五郎】

 もしかしたら中田翔にも同じような期待をしているファンがいるかもしれない。断言してもいいが、中田翔は中村紀洋にはなれない。

 それは巨人と中日の環境の違い、経緯の違い、監督の違いも含めてそう判断せざるを得ないのだ。

 まずは1点目。中田翔と中村紀洋の移籍するまでの経緯の違いだ。

 これは一目瞭然。中村紀洋は問題を起こして球団から自由契約という形で処分を受け、さらにスポーツ新聞も含めて世間から猛バッシングを浴びた。中村紀洋が近鉄時代にFA宣言をしたときの態度も含めてまとめて総叩きといってほど味方はいなかった。恐らく味方は落合博満氏に声をかけた梨田昌孝氏くらいだろう。

 しかも、先述したように球界最高年俸から育成契約の240万円まで落ちてからの復活である。

 しかし中田翔は巨人軍に守られており、スポーツ新聞にも守られている。処分を受けたのはたったの9日。移籍してすぐに一軍登録をされて試合に出ている。こんなの罰を受けた内に入らない。もし不調になって二軍落ちしたら巨人ファンから批判されるだろう。その時に暴力行為について取り上げるファンが出てくるだろう。そうなった時に初めて自分自身で実感をしてくるかもしれない。

 2点目は監督の違いである。

 中村紀洋にテストをしたのは落合博満である。落合は中村を特別視をしなかった。テストを受けさせて動けるかどうかをチェックしてから育成契約を結んだ。そして野球に対する態度を見てから本契約に変更をし、オープン戦で結果を残してからスタメンに起用するようにした。

 これは他の選手に対する配慮でもあるし、中村本人にとっても一からやり直しをしてきたという証しにもなる。ひたむきにボールを追いかけている選手を批判はしにくい。そういった環境を狙ってか偶然かはわからないが、バッシングの声を消していったのは事実である。

 中田翔の場合はどうだったかは言うまでもない。明らかに特別扱いをしている。だからこそ今になって批判が出ているし、その声は日に日に大きくなっている。不調になれば二軍に落として成績を出してから昇格という形にはなるだろう。しかし最初に特別扱いをすると、悪いイメージは付いてしまい評価がされにくくなる。他の選手も内心面白くはないだろう。今は調子が良くても不調になれば批判の声は原辰徳監督にまで届く。その時に彼は何かしら特別扱いをした責任は取るのか疑問である。

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篁五郎

たかむら ごろう

1973年神奈川県出身。小売業、販売業、サービス業と非正規で仕事を転々した後、フリーライターへ転身。西部邁の表現者塾ににて保守思想を学び、個人で勉強を続けている。現在、都内の医療法人と医療サイトをメインに芸能、スポーツ、プロレス、グルメ、マーケティングと雑多なジャンルで記事を執筆しつつ、鎌倉文学館館長・富岡幸一郎氏から文学者について話を聞く連載も手がけている。

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