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寿司は意外にダイエット向きのヘルシーな料理ではない

男を強くする食事革命⑥

■寿司一人前では、1000キロカロリー以上の熱量になる

 最近は、日本料理の中でも、外国人の間では握りずしの人気がうなぎ登りに上昇していると言われています。その理由は、大変にヘルシーで、かつ栄養価が高いというところにあるようです。確かに、欧米などのように、肉料理を食べることが多い食習慣の人々にとっては、寿司はヘルシーに見えるのかもしれません。

 しかし、寿司のネタを細かく研究してみますと、食材としてのエネルギー源としては、必ずしもダイエット向きのヘルシーな料理と決めつけるわけにはいかないのです。

 まず、寿司ネタとしてよく使われる、魚介類の熱量を調べてみることにいたしましょう。いずれも、100グラム当たりのカロリーであることを考えて、見ていただきたいと思います。

〇クロマグロ(赤身)   125kcal
〇クロマグロ(トロ)   344kcal
〇ホタテ(貝柱)    88kcal
〇赤貝            74kcal
〇いくら        2kcal
〇うに            120kcal
〇車エビ        97kcal
〇甘エビ        87kcal
〇真鯛         142kcal
〇ヒラメ        113kcal
〇はまち        203kcal
〇あなご(蒸し)    194kcal
〇かずのこ       89kcal
〇ヤリイカ       85kcal
〇スルメイカ      83kcal
〇マダコ        76kcal
〇玉子         128kcal

 それでは、我々が実際に口にする寿司一貫のカロリーは、どれくらいあるものなのでしょうか。例を挙げてみますと、マグロ一貫で約45kcalです。大体の目安として、握りでは酢飯が約20グラム使われており、ネタも20グラム、それにわさびが少量ついています。一貫で結構な熱量になります。

 このほか、サーモン一貫45kcal、中トロ一貫60kcal、大トロ一貫80kcal、はまち一貫60kcal、あなご一貫50kcal、タコ一貫40kcal、イカ一貫40kcal、ホタテ一貫40kcal、うに一貫90kcal、いくら一貫70kcal、玉子一貫65kcalくらいになります。

 この握り一貫のカロリーを見てもわかるとおり、例えば、回転ずしで一人前を食べたとすると、少なくとも十種類で二十貫程度は食べると思いますから、総カロリーはかなりの量になると予測されます。十五~六種類を食べれば、三十貫にもなり、1000kcalを超す場合もあります。つまり、決してヘルシーな料理とは言えないかもしれません。

 それに、ネタを見てもわかるとおり、確かに動脈硬化を予防するEPAやDHAという不飽和脂肪酸が含まれています。その反面、コレステロールが含まれているものもたくさんあります。中でも、イカやいくら、うになどに、コレステロールの含有量が多いことはすでに説明したとおりです。

 もちろん、食べ方によって差が生じることは確かですが、決して寿司はダイエット食品とは言えそうにないのです。それよりも、むしろ男女のスタミナを維持するために、大変好ましい料理ということが言えると思います。つまり、肉食にも劣らないほどのカロリーを摂取することができます。

 この栄養価に富んだ、しかも精力を増強するために大変役立つ握りずしを、おおいに食べて、いつまでも若々しい男としての精力を保とうではありませんか。

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志賀 貢

しが みつぐ

医学博士

北海道出身。医学博士。昭和大学医学 部大学院博士課程卒業後、臨床医とし て 年以上にわたって診療を行い、現在も現役医師として日々患者に接して いる。その傍ら、文筆活動においても『医者のないしょ話』『臨終の七不思議』『臨終医のないしょ話』『孤独は男の勲章だ』をはじめとする小説やエッセイを執筆。累計20万部のベストセラー『女を「その気」にさせる技術』や『知的 性生活』など、医師の立場から性を考 える書籍は常に話題を集めている。また、美空ひ ばり「美幌峠」「恋港」の 作詞も手掛け、北海道の屈斜路湖畔を臨む美幌峠には歌碑が建立されている。


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