少なくともあと9棟は確実に存在しているという恐怖の事実  

お部屋選びのコツは、何かを妥協すること。コレ大事ですよ♡ 

 

グル  続いては、一時期話題になった女性専用のシェアハウスです。フロ・トイレは共同ですが、電気水道代は無料! しかも仕事の斡旋もしてくれちゃうんですよ! 

出典:住空間

しろ いや、これって、あのニュースにもなっていたアレですよね?

グル あら、さすがにご存知でしたか〜(笑)。「頭金なしで投資ができて、30年間家賃収入を保証します!」といった謳い文句で、約800人の会社員などをオーナーとして勧誘。脱・不動産事業の発想から生まれた新たなビジネスモデルだったんですが、写真を一瞥いただいただけでも分かる通り、間取りが間取りなんで肝心の入居者が少なすぎて……。その結果、当然のごとく家賃不払い問題が起きてしまい、今も終わることのない法廷闘争が続いています……。

しろ そもそも仕事の斡旋というのは、どんなものなんですか?

グル 提携先企業への人材派遣を斡旋し、紹介手数料を得るんです。それまでになく画期的なビジネスモデルだったんですけど、これが上手く回らなかったみたいですね。なにせ薄暗いし、廊下はすれ違うのも精一杯。共用部なしで、住民と触れ合う機会もないとくれば、シェアハウスどころか、日雇い労働者用のドヤ同然。なのに月額4.4万円の費用と退去時にはハウスクリーニング代もかかる。っていうね。

しろ うわ〜ぁ! よくもまぁ〜スゴいシステムを作ったなぁと逆に感心しちゃいますね。ところで、この物件名の最後に付いているX(エックス)ってなんのことですか?

グル それはね、X(エックス)じゃなくて10を意味する(テン)。そもそもこの物件が建てられたのは“不動産投資世界の辺土“とされるエリア。ここ以外にも、オーナーたる債務者たちを轢き逃げしたシェアハウスが、少なくともあと9棟は確実に存在しているという恐怖の事実を示しているんです。いやぁ〜何とも怖いハナシですねぇ。

しろ こんな物件が他に9棟も! お金に踊らされる人々の執念が、背後に蠢いていそう……。これもまたゾクゾクする物件ですね♪

グル そう、クソ物件と皆が笑う狭小住宅ですが、その敷地面積からは想像つかないくらい奥深いんです……。Twitterの140文字という限られた文字数を通して、本来は見せるべきではない人間の業や欲が隙間から漏れ出ることで、プロジェクトXのように人々の叡智や努力で築き上げられた高尚なドキュメンタリーが、一気に噴飯モノのコメディへと化してしまう。クソ物件オブザイヤーはそこに忖度せずメスを入れているのです!

しろ なんだか、今までとはクソ物件の見え方が変わってきた気がします。アァ、なんて素晴らしくも醜いのでしょうか。私もうクソ物件の世界からは戻れないかも……。

 さて、この話には、まだまだ続きがある。気になる方はぜひ単行本『クソ物件オブザイヤー』を手に取って見てください。

 2014年から2019年まで世間を騒がせた不動産取引の問題点を、物件ファンという一般の方でも理解できるように丁寧に解説し、さらに現場の今を追跡取材し、6年分の喜劇、悲劇と化した不動産取引の真のストーリーを凝縮! あの『クソ物件オブザイヤー』が初めて1冊の本となって発売中!! 

 さらに、この忖度しない姿勢で臨む、お騒がせツイッター集団「全宅ツイ」著による作品が『クソ物件オブザイヤー』も含めた6冊(『業界で噂の劇薬裏技集 不動産大技林宅建出るで!実況! 会社つぶれる!不動産営業マンはつらいよ稼げる会社が分かる! 不動産就活2.0』)同時で発刊という怒濤のラインナップとなっているので要チェック!!