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高橋ひかるの休業でざわつく、スレンダー芸能人のダイエット&健康事情

「痩せは正義」「ぽっちゃりはイヤ」から「ぽっちゃりは善」に!?

 にもかかわらず、スレンダー芸能人はとかく、健康面の不安を指摘されがちだ。彼女の場合は仕事に穴をあけてしまったことでやむをえないところもあるが、そういうことがなくてもいろいろ批判めいたことを言われたりする。記憶に新しいのは、桐谷美玲だろう。

 身長164センチで体重が39キロといわれる体型は羨望や嫉妬とともに、一種の違和感ももたらすようで、2年前には週刊誌がかつての宮沢りえを引き合いに出し「あまりに細く、今にも折れてしまいそうな二の腕を見ると、あの悪夢を思い出してしまう」と書いた。

 しかし、所属事務所は、

「3食きちんと食べていますし、体調不良で仕事を休んだことはありません」

 と、説明。実際、昨年の結婚で仕事をセーブするようになるまでの十数年間、芸能活動をこなしながら、大学も卒業するなど、順調にすごした。ただし、汗をかきにくいとか、肌が荒れやすい体質でもあるようで、何かといろいろ気をつかっていることも間違いない。海外ロケの番組では、現地の料理を食べながら、こんな感想を口にしていた。

「お好み焼きを食べてるみたい。はぁ、食べました。めっちゃ美味しいんですよね。止まらなくなっちゃって。あと、キャベツだから罪悪感が少ない」

 彼女が食べたのは、キャベツをメインに、塩昆布とパルメジャーノ、ディル、グリーンガッデス(ソース)、バターミルクを合わせて蒸し焼きにし、モリンガパウダーという青海苔みたいなスーパーフードをかけたもの。「罪悪感が少ない」とは、ふだんからヘルシーな食生活を心がけていることの証しだろう。それがスレンダーという「個性」ひいては「価値」につながり、彼女が成功した要因にもなったわけだ。

 そう、芸能人とはそんな「個性」や「価値」を「魅力」として愛でてもらう存在である。その振れ幅はかなり大きくていい。そんじょそこらにはいないからこそ、魅力的なのだ。そして、芸能史においては桐谷のような成功をおさめたスレンダー芸能人が少なくない。

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『痩せ姫 生きづらさの果てに』
エフ=宝泉薫  (著)

 

女性が「細さ」にこだわる本当の理由とは?

人類の進化のスピードより、ずっと速く進んでしまう時代に命がけで追いすがる「未来のイヴ」たちの記憶
————中野信子(脳科学者・医学博士)推薦

瘦せることがすべて、そんな生き方もあっていい。居場所なき少数派のためのサンクチュアリがここにある。
健康至上主義的現代の奇書にして、食と性が大混乱をきたした新たな時代のバイブル。

摂食障害。この病気はときに「緩慢なる自殺」だともいわれます。それはたしかに、ひとつの傾向を言い当てているでしょう。食事を制限したり、排出したりして、どんどん瘦せていく、あるいは、瘦せすぎで居続けようとする場合はもとより、たとえ瘦せていなくても、嘔吐や下剤への依存がひどい場合などは、自ら死に近づこうとしているように見えてもおかしくはありません。しかし、こんな見方もできます。

瘦せ姫は「死なない」ために、病んでいるのではないかと。今すぐにでも死んでしまいたいほど、つらい状況のなかで、なんとか生き延びるために「瘦せること」を選んでいる、というところもあると思うのです。
(「まえがき」より)

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宝泉 薫

ほうせん かおる

1964年生まれ。主にテレビ・音楽、ダイエット・メンタルヘルスについて執筆。1995年に『ドキュメント摂食障害―明日の私を見つめて』(時事通信社・加藤秀樹名義)を出版する。2016年には『痩せ姫 生きづらさの果てに』(KKベストセラーズ)が話題に。近刊に『あのアイドルがなぜヌードに』(文春ムック)『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、最新刊に『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)がある。ツイッターは、@fuji507で更新中。 


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痩せ姫 生きづらさの果てに
  • エフ=宝泉薫
  • 2016.08.26