謝礼と蝋燭が渡された

 一人あたり二百五十文という宿泊代は、現在の価値でいうとおおよそで4000円。ほかに本陣に対しては品物を謝礼として差し出す風習があり、新選組からは24文の蝋燭を20本渡していることがわかる。

慶応元年大福帳(部分)
新選組隊士のうち、土方歳三以下、幹部4名を含む32名から、謝礼と蝋燭が渡されたことが記録されている。

 問題の煙管入れについてだが、先の紙札に「壱番間」の忘れ物とあるので、壱番間という部屋に泊まった可能性があるのは新選組のうちの誰なのかを、草津宿街道交流館の冨田由布子学芸員に尋ねた。

「壱番間が本陣のどの部屋であるのかは残念ながらわかっていません。ただ当日は新選組の貸し切り状態だったと思われるので、一番とされる部屋には、やはり土方らの幹部が宿泊していたことが想像されます」

 そうであるとすれば、問題の煙管入れは土方ら4人のうちの誰かの忘れ物ということになり、新選組ファンにとっては、土方らが煙草を吸っていたのかということを含めて興味をそそる話である。今回発見された忘れ物については、今後も同館で特別公開される可能性があるとのことなので、公開時にはぜひ草津に足を運ばれることをおすすめしたい。

【草津市立草津宿街道交流館】

写真提供/草津宿街道交流館

〒525-0034 滋賀県草津市草津3-10-4
TEL:077-567-0030
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日(土・日を除く)、年末年始(12/28~1/4)
料金:一般200円、高大生150円、小中生100円 ※史跡草津宿本陣との共通券有り
P:市役所駐車場
アクセス:JR琵琶湖線「草津駅」東口から徒歩15分/名神高速道路「栗東IC」新名神高速道路「草津田上IC」から国道1号経由、10分