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強烈なリーダーシップで改革を推し進めた「暴れん坊将軍」
ドラマとは違うホントの性格は?

歴史上の人物を四柱推命で鑑定! 第65回 ~徳川吉宗~

 続いて、十二運星を見ていく。様々な解釈の仕方があり、例えば年柱は20代まで、月柱は30~60歳くらい、日柱は晩年を表すという意味(現代、寿命が80歳の場合)や、年柱は親から受け継いだもの、月柱は仕事や結婚、日柱はプライベートという意味もある。ここでは一般に重要とされている月柱、日柱、年柱の順番に鑑定していく。

〇帝旺(ていおう):運勢エネルギー12

 王様の星。カリスマ性があり、統率力がある。絶対的な存在。男性を対象にして成功する。

〇冠帯(かんたい):運勢エネルギー10

 女王様の星。独立精神があり華やかさを好む。社交界の場が得意。女性を対象にして成功する。

〇建禄(けんろく):運勢エネルギー11

 王子様の星。何かを継承する役割を持ち、発展性、安定性がある。大勢の人に応援してもらえる。

※身強の星すべてを合わせ持っている!!エネルギー最強!!

「帝旺」「建禄」「冠帯」は「身強の星(みきょうのほし)」と呼ばれ、運勢エネルギーが強い為、ビジネスなどで成功しやすい。日本を中心に世界各国の偉人を四柱推命鑑定してきたが、「身強の星」を全て持ちあわせている人物は初めてだ。ちなみに、「身強の星」を2つ持っているのは、織田信長、スレイマン1世と、時の征服者ばかりである。つまり、吉宗はこれらの人物に勝るエネルギーを持っていたと言える。

 また、12種類ある十二運星それぞれに1~12の運勢エネルギーが割り振られていて、運勢エネルギーの合計は、日柱、月柱、年柱の十二運星の運勢エネルギーの合計で示される。吉宗の場合、12+10+11=33である。平均のエネルギーは約15なので、人の倍以上のエネルギーを持ちあわせていたことがわかる。「中興の祖」と言われる吉宗。その使命を背負って生まれてきたと言っても過言ではあるまい。

 しかし、そんな吉宗は、徳川御三家の1つ、紀州藩主の4男。紀州藩は御三家の1つで、仮に江戸の将軍家が途絶えた時、代わりに徳川家を継ぐことになるが、将軍家、尾張家に継ぐ3番目。しかも、4男であった吉宗は普通で考えると、将軍はおろか、紀州藩主にもなれなかった。幼少のある時、江戸の青山で、久留米22万石の藩主・有馬玄蕃頭則維(ありまげんばのかみのりふさ)の行列が通ったのを見て、冗談に「自分もせめて一生に一度はあのように行列を整えてみたい」と述べたという話が「徳川実紀」に残っている。冗談だったのか、本心だったのかはわからないが、兄が次々と亡くなり藩主になったと思えば、将軍家も血が絶えて吉宗に将軍の座が回ってきたのである。普通では考えられないことが次々と起こる…まさに将軍職は吉宗の天啓だったのだろう。

 ここまで徳川吉宗を四柱推命鑑定してきたが、織田信長もスレイマン1世も凌駕するエネルギーの強さに驚かされた。戦国時代に生まれていたら信長に打ち勝ち天下統一を果たしただろうし、世界征服も夢ではなかっただろう。しかし、吉宗が生きたのは、戦のない江戸時代。しかも、この時期の日本は、戦国時代以降約200年続いた経済成長が終わり低成長時代を迎えていた。低成長への以降とともに米の値段が安くなり物価が高騰。また、全国的に疫病も流行し、社会不安がピークに達していた。徳川幕府への信頼が揺らぎつつある中、綺羅星のごとく現れたのが吉宗。強靭なエネルギーとリーダーシップのある星を持って生まれたことはもちろん尊いが、吉宗のすごさは何よりそのその星を上手に使いこなし活かしていたことだ。

 何度か述べているが、四柱推命は、当たる!当たらない!が大事なのではない。せっかく持って生まれた星をいかに活かすか、そのためにどう生きるかが重要だ。しかし、あえて言うと、星をうまく活かしている人はたいがいが「当たり」、成功している人が多いし、活かしきれていない人は大方が「当たらず」、失敗している人も多い。エネルギーが強ければ尚、自分のエネルギーに打ち勝てずに沈んでしまう人を大勢見てきた。そう考えると、吉宗が持てる能力をいかんなく発揮するための環境が整っていたのだろう。親の教育、周りの人々、与えられた環境…それらがどう吉宗に作用していたのか、そういう視点でも検討するのも面白そうだ。

 

■四柱推命とは?

古代中国で生まれた「過去、現在、未来」を予見する運命学のひとつで、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)をもとに、人が生まれながらにして持っている性格、能力、素質を理解し、その人の努力や経験で変わる後天的な運命までも予測することができる。
具体的には、生まれた日(生まれた年・月・日・時間)をもとに命式表(めいしきひょう)を作成し占っていく。なお、ここでは生まれた時間は鑑定に含めていない。
「国史大辞典」に記載されている生年月日を、「和洋暦換算事典」を用いて現行暦に換算し鑑定している。

■用語説明

日柱の干支:その人の本質を表す重要な部分

主星(しゅせい):月柱の蔵干通変星で、その人を表す最も重要な星。主に仕事運を表す。

自星(じせい):日柱の蔵干通変星で、その人のプライベートな部分の性格を表す重要な星。

【参考文献】

・「徳川吉宗 国家再建に挑んだ将軍」大石 学 教育出版 (2001)

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妃萃(本名:油川さゆり)

ひすい

青森県八戸市出身。慶應義塾大学 社会学研究科 教育学専攻 修士課程修了、同研究科 同専攻 後期博士課程在学中。2013年鳥海流・鳥海伯萃より四柱推命の指南を受ける。これまで500人以上を鑑定。多数の弟子を輩出。

元放送局報道記者。フリーアナウンサーとして、BS11の番組にレギュラー出演しているほか、ナレーターや司会として活動中。日本の歴史、伝統芸能を伝えるため、歴史勉強会、その他イベントを主宰。自身も大和言葉、辞世の句、武田氏と油川氏等について講演活動を行う。合同会社真己、共同代表。また、2016年6月から「カミムスヒ」というソングユニットで歌手活動を開始。手話検定3級、ホームヘルパー、視覚障害者ガイドヘルパーの資格を持ち、社会福祉活動に積極的に携わる。


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