最も子を多く生ませた第11代将軍・徳川家斉は、ナイーブゆえのセックス依存症!? |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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最も子を多く生ませた第11代将軍・徳川家斉は、ナイーブゆえのセックス依存症!?

歴史上の人物を四柱推命で鑑定! 第62回~徳川家斉~

続いて、通変星、蔵干通変星から家斉の性格を読み解いていく。通変星、蔵干通変星をわかりやすく円グラフに表すと下記のようになる。

 

知性…様々な分野の知識が豊富で、何かを学ぶことに喜びを感じる。頭の回転が速く、物事を論理的に捉えることが上手

行動力…頭で考えるよりも行動で結果を出す。未知の分野に挑戦する意欲が強く、交渉力や営業力を磨けば成功できる

人脈…さりげない気配りができて誰とでも仲良くなれる。サービス精神が旺盛でコミュニケーション能力も高く人を動かせる。

自立心…他人に依存することなく、自分が信じた道を突き進む強い精神性。リーダーシップを発揮しフリーで活躍できる。

遊び心…楽しいことを企画する等、生活に遊びを取り入れることが自然とできる。芸術面の才能があり、表現力が豊富。

 

〇人脈30%!(偏財)

人脈を持っている人は優しく、誰とでも仲良くでき、コミュニケーション能力の高い。中でも「偏財(へんざい)」は、幅広い人脈を持つが、お人好しで人に騙されやすい面を持つ。お金に恵まれるが浪費家。また、恋愛の星でもあり、女性好き。

 5つの通変星の中で、その人を表す最も重要な場所は、月柱の蔵干通変星であり、これを「主星(しゅせい)」と呼ぶ。家斉がここに「偏財」を持っているのを見て、筆者は「やはり…」と思った。「偏財」は惚れっぽく恋愛好き。さぞかし女性が大好きだったのだろう。また、優しく女心をくすぐるので、女性からも相当にモテていたのだろう。家斉は正室のほか、24人もの側室を抱えており、そのほか20人以上のお手付きがいたという。家斉はそのうちの17人に50人以上の子どもを産ませている。このうち、約半数が夭折しているが、28人が成人している(諸説あり)。平均寿命が30~40歳と言われていたこの時代、家斉は17~55歳までほぼ毎年子どもを作り続けた。世継ぎを残すことは将軍の大事な仕事であるとはいえ、側室の生活費や子どもの養育費もバカにならない。白砂糖が貴重なこの時代に、子ども達のおやつのお菓子を作るのに、一日に千斤(約600㎏)も使ったという記録も残っている。その結果、大奥の財政を逼迫し、財政難に拍車をかけることに繋がっている。もはや、「子どもを残さなければ!」という義務感ではなく、ただの女性好きであった節は否めない。

 また、どうやらお金に対しても無頓着だったようで、松平定信の後釜として家斉が登用した老中・水野忠成は、賄賂を公認・奨励し、賄賂政治が横行した。家斉ももちろん承知の上だったということで、これによりさらにインフレにまでも拍車をかけている。

 

〇遊び心30%(傷官2つ)

 遊び心は、生活に自然と遊びを取り入れることができ、芸術性も高い。中でも「傷官(しょうかん)」は、きれいなものが好きで芸術性が高いが、ガラスのハートの持ち主。特に男性はナイーブで繊細な人が多く、傷つきやすい。

 筆者は、家斉の性格の根本はここに起因すると考える。家斉はこの「傷官」を2つも持っており、相当な(もしかしたら病的なレベルの)ナイーブさんだったことが予想される。幼少の頃から異様な性癖があったようで、蟹や鶏を相手にして踏みつぶしたり殺したりといった動物虐待を行っていたという。そんな家斉には、多くの女性がおり50人以上の子どもがいたということだが、勝手ながら筆者は性依存症(セックス依存症)だった可能性も否定できないと考える。ナイーブさんゆえ、寂しい、誰かと繋がっていたい…そんな思いを満たすために、次々と女性をそばに置いていたのだろうか。しかし、大勢の女性、大勢の子どもに囲まれたとはいえ、果たしてその不全感を解消することはできたのだろうか

家斉はそんな弱い自分を覆い隠すために虚勢を張り、権力を奮い続けたのかもしれないとも考える。欲しいものは何でも手に入れられる将軍だからこそ、空虚感を感じていたのかもしれない。これぞ家斉の弱さの表れではなかろうか。

 

〇行動力30%(偏官)

行動力は、頭で考えるよりも行動で結果を出そうとする星。中でも「偏官(へんかん)」は、攻撃的行動的な星。野性的で思い立ったら即行動する。

 家斉が将軍に就いた当初、まだ若かった家斉の補佐役をしながら老中首座を務めていたのは松平定信だった。定信と言えば、寛政の改革を行った人物。定信は、前の老中・田沼意次と結んで独占的利益を貪ったとして株仲間や問屋を次々に廃止、庶民に対しても華美なぜいたく品の販売のほか、女芸者や賭博を禁止するなど、厳しい態度を取り続けた。そんな中、家斉が実父・一橋治済を大御所として江戸城西の丸に迎えようとした。しかし真面目すぎる定信は「大御所というのは前将軍の称号であり、将軍職に就かない治済を大御所にするのはよくない」と断固反対の姿勢を取った。それに対し、家治は立腹。定信の老中首座と補佐役を突然解任してしまった。寛政の改革に対する評価は様々であるが、飢饉対策や賄賂人事の廃止等、一応の成果は上げている。その改革の道半ばにして終止符を打ってしまった家斉は、考えるよりも先に行動するタイプだったのだろうか。確かに、家斉は「知性」の星を持ちあわせていない。

 

〇自立心10%(比肩)

 自立心は、他人に依存することなく自分が信じた道を突き進む強い精神性。リーダーシップが強い。中でも「比肩(ひけん)」は、一匹狼で職人肌。頑固で人の意見に惑わされず、自我を貫く性質がある。

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妃萃(本名:油川さゆり)

ひすい

青森県八戸市出身。慶應義塾大学 社会学研究科 教育学専攻 修士課程修了、同研究科 同専攻 後期博士課程在学中。2013年鳥海流・鳥海伯萃より四柱推命の指南を受ける。これまで500人以上を鑑定。多数の弟子を輩出。

元放送局報道記者。フリーアナウンサーとして、BS11の番組にレギュラー出演しているほか、ナレーターや司会として活動中。日本の歴史、伝統芸能を伝えるため、歴史勉強会、その他イベントを主宰。自身も大和言葉、辞世の句、武田氏と油川氏等について講演活動を行う。合同会社真己、共同代表。また、2016年6月から「カミムスヒ」というソングユニットで歌手活動を開始。手話検定3級、ホームヘルパー、視覚障害者ガイドヘルパーの資格を持ち、社会福祉活動に積極的に携わる。


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